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$数学する身体 (新潮文庫) 文庫 森田 真生 (著)

$数学する身体
(新潮文庫)
文庫 
森田 真生 (著)



下記サイトより引用

$解説
数学はもっと人間のためにあることはできないのか。最先端の数学に、身体の、心の居場所はあるのか――。身体能力を拡張するものとして出発し、記号と計算の発達とともに抽象化の極北へ向かってきたその歴史を清新な目で見直す著者は、アラン・チューリングと岡潔という二人の巨人へと辿り着く。数学の営みの新たな風景を切りひらく俊英、その煌めくような思考の軌跡。小林秀雄賞受賞作。

$読者レビューより引用・編集
冒頭から数学の詩的根源性に誘われ、新しい発見の喜びがあり!
以下↓独創的な本文から、ほんの少し引用。
<はじめに>
人はみな、とうの昔に始まってしまった世界に、ある日突然生まれ落ちる。
自分が果たして「はじまり」からどれほど離れた場所にいるのか、それを推し量ることすらできない。
そんな人間が、1から数を数える。
・・・
これは、数学に再び、身体の息吹を取り戻そうとする試みである。
全編を読み通すために、数学的な予備知識は必要ない。
数学とは何か、数学にとって身体とは何かを、ゼロから考え直していく旅である。
・・・
目次
第一章 数学する身体
    ・・・
数学者というと、夢中になって記号や数式を書いているイメージが湧くかもしれないが、
    古代の数学者を想像するときは、その印象を改める必要がある。
    彼らは書くというよりも描き、語る人々である。
    そもそも古代ギリシャには、記号もなければ数式もない。
    その思考を支えるテクノロジーは、わずかに「図」と「自然言語」だけである。・・・・
    そうした道具を駆使しながら「証明」という、新しい数学的行為の形式を生み出していった。
    <対話としての証明>
    ・・・ギリシャの数学者の思考の大部分は、数学者の外の空間に「露出」している。
それは他者に開かれ、ある種の公共性を帯びた思考である。科学史家の下村寅太郎はその代表作
 『科学史の哲学』の中で次のように述べている。
 ギリシャ人においては思惟は単なる意識における内的思惟ではない。
 積極的に言えば、独立なる個人を前提し、公的に対する私的な思惟をゆるす立場ではない。
内心における思惟でなく、外的表出において成立する思惟である。常に言葉を持つ思惟である。
さらに具体的に言えば、単独孤独において行われる思惟ではなく、共同的対話的な思惟である。
かくの如き思惟あるいは思惟法が、証明的、論証的形態をとるのは自然であり、当然であろう。
ただし「証明」は本来個人が単独に私的に独断的に思惟することでなく、公開的に示し、公共的な承認を要求することにほかならぬ。
ここで指摘されている通り「証明」は、 そもそも他者の存在を前提としている。  
第二章 計算する機械
第三章 風景の始原
第四章 零の場所
終章  生成する風景
    ・・・
動かぬ芯としての心、変わらぬ中心としての数学などというものは幻想である。心は変容し続けるものであり、数学もまた動き続けるものだからだ。
肝心なのは動かぬ中心ではなくて、絶えず動き続ける生成の過程そのものである。だからこそ、 心を知るためにはまず心に「なる」こと、数学を知るためにはまず数学「する」こと。
    そこから始めるしかないのである。
    数学と数学する身体とは、これからも互いに互いを編みながら、
    私たちの知らない新たな風景を、生み出し続けることになる。
「証明」は、そもそも他者の存在を前提としている・・・。
「夫れ心は独り生ぜず、必ず縁に託して起こる。竜樹」
数学には、原初の物語の「証明」を追求する喜びが宿っているのではないか、そんな文学的イメージが広がって、数学者の数学する態度に心(情緒)洗われた!
現代社会にあっては津田一郎先生のように、カオスの「証明」にもチャレンジしていただきたいですが、そもそも文系にしろ、あえて数学を用いていると言わなくても簡単な数理的思考、経験に基づく数理的能力を絶えずはたらかせて、新たな風景と向き合っているわけ。

$商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

数学はもっと人間のためにあることはできないのか。最先端の数学に、身体の、心の居場所はあるのか―。身体能力を拡張するものとして出発し、記号と計算の発達とともに抽象化の極北へ向かってきたその歴史を清新な目で見直す著者は、アラン・チューリングと岡潔という二人の巨人へと辿り着く。数学の営みの新たな風景を切りひらく俊英、その煌めくような思考の軌跡。小林秀雄賞受賞作。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

森田/真生
1985(昭和60)年東京都生れ。独立研究者。東京大学理学部数学科を卒業後、独立。京都に拠点を構えて研究を続けるかたわら、国内外で「数学の演奏会」「大人のための数学講座」「数学ブックトーク」などのライブ活動を行っている。2015(平成27)年、初の著書『数学する身体』で、小林秀雄賞を最年少で受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



フリーフォトより引用

$森田 真生(もりた まさお、1985年 - )は数学をテーマとした著作・講演活動などを行う日本の「独立研究者」。京都府在住。

$経歴

東京都出身。幼少期をアメリカシカゴで過ごす。桐朋中学校高校時代はバスケットボール部に所属し、当時の桐朋高校バスケットボール部が武術家の甲野善紀の著作を参考にナンバ走りを取り入れてインターハイへと進んだことから甲野の身体論に影響を受けるようになる。
桐朋高卒業後、2004年東京大学文科二類に入学。
当時流行していたITベンチャービジネスに興味を持ち、シリコンバレーで企業の経営者にアポイントをとっている過程で株式会社サルガッソー鈴木健と知り合い、プログラマーとして働くことになる。物理学科出身の鈴木から多大な影響を受けて数学はじめ理系の学問に関心を持ち始め、東京大学工学部システム創成学科知能社会システムコースに進学。
卒業後、東京大学理学部数学科に学士入学。東大数理科学研究科の大学院入試に不合格。大学卒業後の2010年福岡県糸島市に数学道場を設立。
2012年より京都に移り、在野で研究活動を行う傍ら、「数学の演奏会」や「大人のための数学講座」などのライブ活動を全国で行っている。
2016年、初の単著『数学する身体』で第15回小林秀雄賞を受賞。2022年、『計算する生命』で第10回河合隼雄学芸賞を受賞。

$著書

  • 『数学する身体』新潮社、2015年/新潮文庫 、2018年[4]

  • 『みんなのミシマガジン×森田真生 0号』ミシマ社 、2016年

  • 『アリになった数学者』 (たくさんのふしぎ傑作集) 脇阪克二 絵、福音館書店、2018.10

  • 『数学の贈り物』ミシマ社、2019.3

  • 『計算する生命』新潮社、2021.4

  • 『僕たちはどう生きるか 言葉と思考のエコロジカルな転回』集英社、2021.9

$共著・編著


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