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マイルール

GH管理者のやり過ぎ君と一緒に広汎性発達障害のある若者と面談をした。やり過ぎ君に比べると明らかに関わる時間の少ない自分は時々言葉を発したくらいである。

その手前では、就労先に出向き仕事の事について話をしたのだが、その職場にとてもマッチしお金も稼げるようになった。そのことへの誇りを感じられる表情も沢山見せてくれた。当たり前だか褒められれば誰でも嬉しい。 短期間で生活の安定にこぎつけたことで喜んでいる様子はこちらも嬉しい。

ところが、GHの生活には不満を感じたようである。同じ屋根の下で暮らす同居者については、彼のマイルールである一線を超すと途端に許せなくなる。ある意味、言葉の厳格性を重んじる気質から、なにげに言ったことや病気が言わせていることを流すことができない。その気質が災いして、家、施設、病院、GH、家を転々としている。学生の頃は他者への暴力に向かったこともあるが、今は自分に向けるようになり苦しさが増した。

これは、こちらの試金石でもある。魔法の杖があるわけではない。何事もすぐに解決しない。彼から「こんな話は、無駄だ」との言葉があった。確かに彼の考えるような解決にはならない。けれど、今日の収穫は彼の考え方に癖があることを一緒に気づけたことかもしれない。

「また、話そう」と別れた。

幼少期の悲痛な体験から簡単に自分自身を安心させることは難しそうであるが、積み上げてきたものをかんたんに崩すことだけは、隣りにいて避ける手助けができればと思う。

同じ気持ちを持つ、やり過ぎくんにも感謝。

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