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初めて乳がんの方と会話した話

初の抗がん剤をスタートする数日前、歯医者で歯のクリーニングをしてきた。
抗がん剤治療中はお口のトラブルが多いということで、事前に徹底した口腔クリーニングが推奨されているからだ。

予約の電話をした際、前回のクリーニングから3ヶ月経ってなかったため、まだ予約はできないと言われた。
そこで「病気の治療が始まるのでどうしても今週行きたいのですが……」と伝えたところ、そういうことであればと快諾いただけた。

そして実際にクリーニングをしてもらう際、歯科衛生士さんに「何の治療ですか?」と聞かれたため、抗がん剤だと伝えた。
治療にも関わるので何のガンなのか教えてほしいと言うので、乳がんであること、すでに手術済みで術後の補助治療として抗がん剤をやることなどを伝えた。

クリーニングが終わり、料金をクレジットカードで支払っている時。
受付の方が何か話しかけてきたので、クレジットカードを抜くようにとでも言われてるのかと思ったのだが、まだ読み取り中で抜いちゃダメそう。
何だろうと思って受付の方のことをチラリと見ると、脇がどうのこうのと言っている。

ワキ……???

もう一度聞き返してみると、「脇も取ったんですか?」って言ってる。
ああ、手術のことを聞かれてるんだと気づき、「いや、私はセンチネルリンパ節生検をやって……」とまで答えたところで悟った。

「もしかして……?」
と言いながら受付の方の表情を伺うと、うなずいている。

私と同年代くらいかな?
可愛らしい感じのその女性は、笑顔で「今、抗がん剤治療中!」と言った。

思わず「私、これからだからちょっと緊張してて!」と話すと、「全然なんともないよ。吐き気も何もないし、全然大丈夫!」と笑顔で話してくれた。
毎回投与から3日間だけ仕事を休んで、それ以外は元気に働いているという。
術前の化学療法なので、これから手術を控えているそうだ。

これもウィッグだよと言われたが、とても自然だし色もカットも可愛いし、興奮気味に「え!めっちゃ可愛い!全然分からない!」と言った。
そして「もしかしてリネアストリア……?」と聞くと、「そうそうそう!」と。
私はその頃、ちょうど3つ目のウィッグがリネアストリアから届いたところだったが、その方も4つ持っているそうだ。

リネアストリアのことはこの記事に書いているので、よろしければご参考にどうぞ。

そして私は逆に手術のことを聞かれた。
痛かったかどうか聞かれたので、「全然痛くなかった!あ、いや、多少は痛かったかもだけど、そこまででもなかった」と答えたら安心していた。

もう全部取っちゃった!
今、右胸は何もない状態。
でも全然大丈夫、あはは〜。

そんな感じでお互いにあっけらかんと笑顔で報告し合った。

もう心のなかでは「同士よ!!!」って気分。

初めて乳がんの方と直接会話をしたので嬉しかった。
しかも世代も同じくらいと思われるので、めちゃくちゃテンションが上がった。

初めて同じ病気の人と話したと伝えたところ、患者さんにも多くいるとのことだった。
やはり抗がん剤対策のためにクリーニングによく来るのだろう。

帰り際、また会えたらお話しましょうと言われた。
ネットの中には同士がたくさんいるが、現実で出会えるとこんなにも心強いものなのだな。
もちろん病院では乳がん患者を多く見かけるが、お互いに話しかけるわけでもないし、世代が一回りも二回りも上の方々に見えるので、可愛いカラーのウィッグの話とかできなそうだし。

ってなわけで、嬉しかったので主治医と担当看護師にも報告した。
良かったねと喜んでくれたので、これまた嬉しかった。

という出来事でした!

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