広瀬典丈

名古屋を中心に愛知県内9ヵ所でいけばな教室を展開し、Instagram・YouTube…

広瀬典丈

名古屋を中心に愛知県内9ヵ所でいけばな教室を展開し、Instagram・YouTube・「いけばなテキストブックby広瀬典丈」発刊。 これを使ってオンライン教室も開催しています。いけばなとその解説・「いけばな歳時記」を掲載します。

マガジン

  • いけばな歳時記

    いけばなに使われる花材は、四季の移ろいを映す「季語」のような、連綿とつながる文化の結び目であり、いけばな作例を使った「歳時記」としてまとめることができます。

  • Online広瀬典丈いけばな教室

    いけばなが本当に分かりたい人のためのテキスト「いけばなテキストブックby広瀬典丈」を使う投げ銭形式のOnline教室、初ページ~順番に展開し、動画をYouTubeで公開中。 参加アドレスは以下。 時間: 2022年10月9日 20:30 ~ 参加アドレスは以下。 https://us05web.zoom.us/j/6054367660?pwd=QlAvUEhOUWd0VDVad3p3bzBDcDJFQT09#success

最近の記事

いけばな歳時記 エニシダ

 エニシダは西アジア~ヨーロッパ・アフリカに分布するマメ科の一属。常緑・落葉低木。春~初夏多数の小花が並び咲き、花色は黄・白(赤・ピンク・オレンジが一部に差す園芸種もあり)。日本には17世紀末中国経由で伝来。  濃緑の細枝が八方に伸びる姿は独特。曲げも利き、成形に適しています。  作例は、エニシダを丸めた一種いけ→広瀬テキスト71・45p  上左 モンステラの葉を半面切ったスペースにエニシダ・カスミソウを置き・作中心にはスイトピーの「複合花・片身替わり」→広瀬テキスト50p

    • いけばな歳時記 ツツジ

       ツツジはアジア中心に分布する常緑・落葉花樹。春~初夏、枝先に赤・白・ピンクで先が五裂する合弁花を数個つけます。同族でもシャクナゲ・サツキは別扱い、別属のキリシマツツジは仲間扱いがふつうです。  ツツジの枝はねばり無く折れやすく、バネやワイヤで曲げます。  水揚げは水切り・枝に割りを入れる・表皮をむく・叩き潰すなど。  作例は、ハナミズキと合わせた自然調→広瀬テキスト45・46p  上左 フジと合わせた自然調→広瀬テキスト45・46p  上右 中間に枝、上に花、下に葉を置く

      • いけばな歳時記 ハナミズキ

         ハナミズキは、北アメリカ原産のミズキ属の落葉樹で、1912年ワシントンD.C.に贈ったサクラの返礼木として有名。春、サクラの咲いた後、近縁の白いヤマボウシより早く、白・ピンクの苞葉(花を囲む葉)をつけます。秋には赤い実がつき、寒暖差があれば緑の葉が濃赤に変わる紅葉も見事です。  水揚げは水切り・枝に割りを入れる・表皮をむくなど。  上作 ハナミズキ・ツバキで「基本花型立真型)」→広瀬テキスト25-27p  上左 花展出品作。上・下にフジ・ハナミズキを置き、上から斜め下に晒

        • いけばな歳時記 ライラック

           ライラックは、東南欧に分布するモクセイ科の落葉低木。春、芳香のある青~赤紫・ピンク~白の小花を穂状につけます。  水揚げには葉を減らす・枝に割りを入れる・叩き潰すなど。バクテリアに弱いので切り戻し・水換えも大事で、新鮮な水をたっぷり吸わせるには給水スポンジは不向きです。  上作は、 ハランで「主材の方向性(遠心)」→広瀬テキスト48p  上左 ライラックの枝に晒しホウキグサを斜め下に差し込んでいます。「バランス(乗せる)「水から離して使う」→広瀬テキスト63・82p  上

        いけばな歳時記 エニシダ

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        • いけばな歳時記
          119本
        • Online広瀬典丈いけばな教室
          11本

        記事

          いけばな歳時記 キブシ

           キブシは、東南アジアに分布する落葉低木。早春淡黄緑の小花を房状につけます。ヌルデのフシの代わりにお歯黒に使われたのが名の由来。小花が付け根から長く並び咲くところがフジと似ているとして、キフジとも呼ばれますが、フジとは違い、枝はツル状でなく、矯めも利きません。  上作は、 ラナンキュラスと合わせ、花材のバネ(ワイヤ留め)で曲げています。→広瀬テキスト66p。  上左 キブシ・スカシユリの自然調・横添え木留め→広瀬テキスト40p。  上右 キブシ・スイセン・クッカバラによるデ

          いけばな歳時記 キブシ

          いけばな歳時記 ヤマブキ

           ヤマブキは、太田道灌の逸話でも知られる、東アジアに分布するバラ科の落葉広葉樹。春少し暖かくなる頃山吹色の花が咲きます。花色が白いヤマブキもありますが、よく似た白花ヤマブキは花弁4弁・葉が対生で別属。どちらも細く柔らかな枝は矯めが利き、水揚げ・花持ちも良く、水切り・水換えでじゅうぶん保持出来ます。  上作は、 ヤマブキの一種いけ→広瀬テキスト75p。  上左 シロバナヤマブキの一種いけ→広瀬テキスト75p。  上右 春の花々を加えた自然調→広瀬テキスト45~50p。  上

          いけばな歳時記 ヤマブキ

          いけばな歳時記 バイモ

           バイモは、ユーラシアに分布するユリ科の草花。春少し暖かくなる短期間、淡緑色で釣鐘状の花が下向きに咲き、花弁の内側には暗褐色の網目模様があります。水揚げ・花持ち良く、水切り・水換えでじゅうぶんです。  上作は、 キャベツの葉との組み合わせ。  上左 キウイツル・カスミソウと組んだ作。  上右 バイモにツバキを加えた自然調→広瀬テキスト45~50p。  上左 コルク・ツバキと組んだ構成→広瀬テキスト79p。  上右 ボク・縄を加えた構成→広瀬テキスト79p。

          いけばな歳時記 バイモ

          いけばな歳時記 クリスマスローズ

           クリスマスローズ(ヘレボルス)は、西欧原産、春咲きキンポウゲ科クリスマスローズ属の草花。花に見えるガク色は、白〜黄~黄緑・赤~紫と多彩です。花持ちは良く、しべが落ちてガク片がしっかりした花はさらに良好です。水揚げには40℃程での湯あげと切り戻し・水換えを行います。  上作は、 編んだハランとの組み合わせ→広瀬テキスト73p  上左 シモクレン・枯れチースを加えた構成→広瀬テキスト79p。  上右 アカメカシワと組んだ自然調→広瀬テキスト45~50p。  上左 ユキヤナギ

          いけばな歳時記 クリスマスローズ

          いけばな歳時記 アオモジ

           アオモジは、クロモジ同様クスノキ科の樹木。緑の枝色からアオモジと呼ばれます。葉に先立って淡黄色の房状の花が咲く早春の花木の一つ。  クスノキ系は矯めが利かず折れやすい枝の代表で、枝振りやバネを利用した曲げと、工夫が必要です。水揚げは割りを入れる、外皮を削るなど。  上作 中日新聞いけばなコラム掲載作。複合的構成→広瀬テキスト50p  上左 複数花器による花型の分立→広瀬テキスト33p。  上右 バネを使った自然調の教室見本花→広瀬テキスト45p。  上左 バネを使った反

          いけばな歳時記 アオモジ

          いけばな歳時記 ネコヤナギ

           ネコヤナギは東アジアの川辺に自生し早春に開花するヤナギの仲間。葉が出る前に銀白の綿毛を持つ雌雄の花穂を咲かせます。開花が遅く大きめのアカメヤナギ系との交配もあり、この仲間もネコヤナギと呼ばれます。  ネコヤナギはいけばなでは春の花木として扱われ、ウメ・モモなどミシミシと矯める花材に対して、中の繊維を揉みほぐすサンゴミズキと共通する矯めの代表。花が穂のような外見のせいで、水から離すことも普通です。  上作は、枯れソテツと組んだ主材とその方向性(統一)→広瀬テキスト48p。

          いけばな歳時記 ネコヤナギ

          いけばな歳時記 ボケ

           ボケは、秋~春に花開くバラ科の低木で、サクラ・モモとは少し離れた仲間です。枝にねばりがあってためがよく利き、折れてもちぎれなければ花が咲きます。ただ枝によっては折れやすく、その都度の確認が大切です、  作例はデザイン演習の教室見本花、花葉が少ない分、トゲもあるボケの枝振りが際立って見えます。左右の対比・線の構成→広瀬テキスト52・55p  上左 ボケ・シクラメン・コデマリの生花(せいか)→広瀬テキスト4・94p  上右 ボケ・センリョウによる上下対比→広瀬テキスト52p

          いけばな歳時記 ボケ

          いけばな歳時記 サンゴミズキ

           サンゴミズキはシベリア原産ミズキ属の落葉低木。花は晩春ミズキに似た白い小花を多数つけますが、秋~冬鮮やかなサンゴ色に色づく枝を使うのが一般的。同種で黄緑の枝はオウゴンミズキと呼んで区別しています。  枝は矯めがよく利きますが戻りがあり、いきなり曲げると折れることもあります。もむ・ねじるなどを繰り返し、中の繊維をほぐすヤナギに似た方法で矯めます。  上作は、サンゴミズキ・オウゴンミズキを大きく矯めて下に下げて結び、上にヒバ・ストックを置いた協奏的構成→広瀬テキスト50p。

          いけばな歳時記 サンゴミズキ

          いけばな歳時記 ハボタン

           ハボタンは18世紀日本で、結球せず縮れたキャベツ・ケールの重なった葉を花に見立てて、観賞用に作出されました。→ナバナ参照  寒さに当て、葉が白・クリーム・紫・赤・ピンクなどに色づいたものが、冬~初春に出荷されます。  上作は、球状に包み閉じたレンギョウの枝の中に、トウミョウ・ハボタンを加えたマッス的構成→広瀬テキスト57p。  上左 キウイツルの動きを使ったリズム的構成→広瀬テキスト64~68p  上右 ハボタン他4種花材の縦重ね縦長・色彩構成→広瀬テキスト53・67p

          いけばな歳時記 ハボタン

          いけばな歳時記 センダン

           センダンはヒマラヤ原産の落葉高木で東アジア温帯域に分布。「センダンは双葉より芳し」のセンダンはビャクダンのことで無関係、匂いは感じられません。晩春-初夏に咲く白-薄紫の花も美しく『枕草子』では楝(あふち)名で登場します。晩秋たくさんつける黄白色の実は冬場も超えて長持ちし、水から出して使えます。  上作例は、ノバラ・カンキツ・センダンと、色・大きさ・実付きも違う実もの三種による色彩構成→広瀬テキスト67p  上左 センダン・シンビジウム・ヒバで主材の方向性→広瀬テキスト48

          いけばな歳時記 センダン

          2023-10-29(日)17時~Onlineいけばな 「投入基本立真型のいけ方」

          投入花型は盛花と似ていますが、違いは、しんの長さ。盛花では花器の大きさの2倍でとるのに対して、投入では1倍半がふつうです。  水に入る部分は別に加え、挿し口から上がその長さになります。しん・そえ・うけの長さの比と角度は盛花と同じ。そえはしんの3/4、うけはそえの1/2ほどです。水に入る部分が盛花の時よりもかなり多いので、枝の長さをはかる時は、花器の外であてがうような工夫が必要です。  盛花花型を上から見た図では、しん・そえの前斜めに出る枝の方向差がありました。しかし、投入で

          2023-10-29(日)17時~Onlineいけばな 「投入基本立真型のいけ方」

          いけばな歳時記 キンカン

           キンカンは中国長江中流域原産で19世紀初め日本列島に入ったミカン属の常緑低木。俳句では秋の季語ですが、中国では春節に飾られます。  上作例は、キンカン・サンキライ・ナンキンハゼ、実もの三種による色彩構成→広瀬テキスト67p(→カンキツも参照のこと)  上左右 キンカン一種いけ→広瀬テキスト75p  上左 フォックスフェイス・ロウバイ・キンカン・ボクを合わせた色彩構成→広瀬テキスト67p  上右 スイセン・キンカン・ボクによる遠心(方向性)→広瀬テキスト48p

          いけばな歳時記 キンカン