Netflixで『余命10年』観ましたー。
Netflixで『余命10年』鑑賞終了しました。元精神科医であり、youtuber&作家で映画通の樺沢紫苑先生が2022年ベスト映画と評価した作品だと知っていたので、かなり前から観たいと思っていた作品ですが、ようやく視聴することができました^^;
樺沢先生ご紹介の映画は経験上ハズレなしだと確信しておりましたが、視聴前から『世界の中心で愛を叫ぶ』などを筆頭にこれまで散々表現されてきた”不治の病に冒された彼女に対し、純粋な愛情を注ぐ彼氏”の話だと思っていて、既存の恋愛作品と比べてどのような違いがあるのか興味深く拝聴しました。
個人的な評価
ストーリー A
構成 S
俳優 S+
脚本 S
音楽 S
S→人生に深く刻まれる満足
A→大変によかった
B→よかった
C→個人的にイマイチ
あらすじ紹介
内容的には、心臓の不治の病で手術入院した20歳の高林茉莉(小松菜奈さん)が2年ぶりに両親・姉と共に自宅に帰るところから始まります。彼女の担当医によると、茉莉に残された余命は10年で、残りの人生をどのように生きるかを真剣に考えていくことになります。
茉莉は前向きに就職活動に励みますが、病気が完治していないこと、長く働ける保証はないこと、高校は中退でまともな職歴やバイト経験すらないこと、などが原因で上手くいきません。
かつての友達や同窓会で再会した同級生たちは親身に接してくれますが、自分とは違い就職したり結婚したりと、順調に人生を歩み進めていて歯がゆい思いをします。
そんな中、同窓会で再会した真部和人(坂口健太郎さん)がベランダから飛び降りて自殺未遂を起こしたと知らされます。
茉莉がお見舞いに駆け付けると、彼・和人は両親と不仲で絶縁状態になっており、そのうえ仕事をクビになったことを苦にして命を絶とうとしてしまったとのことでした。
「生きる意味が分からない」と口にする和人に対し、限られた命しかない茉莉は不快感を仄めかして立ち去ります。
後日、退院した和人は居酒屋に茉莉を呼び出し「生きたくても生きられない人もいるのに、本当にごめんなさい」と謝罪します。
しかしそれは、茉莉と母親が病院にいたところを目撃したことから、茉莉の母が病気なのだと勘違いしての発言でした。
その後、予てから小説を執筆していた茉莉は文才を生かし、友人の紹介でウェブライターに、和人は居酒屋のバイトを始めました。
そうして、穏やかな数年間が流れ、茉莉の姉・桔梗は結婚し、和人はあと3年で自分の店を持てるという状態になりました。
その一方で、茉莉の寿命は確実に近づいていました。和人は自分が立ち直れて今日まで頑張ってこれたのは茉莉のおかげだと感じ、一緒に生活したい旨を告げますが、茉莉は日に日に弱る体と増える薬に和人との将来は想像できず、すべてを打ち明けたうえで断ります。
次第に、茉莉は自暴自棄になっていきます。病と闘うことに疲れ果て、諦めたのではなくもう闘う力が残っていない、と家族に告げます。
そして茉莉は、『自分以上に家族が可哀想なのではないか?自分は生に執着せず、家族から離れ、早く死んだ方がみんな幸せになるのではないだろうか?』と考え始めます。
泣きながら体に負担を掛ける暴飲暴食に走る茉莉のもとに駆け付けた和人は、『俺の人生はつまらない人生かもしれないけど、隣には茉莉がいる。死にたいと思ってた俺を生きたいと思わせてくれた茉莉のために俺は生きる。これからは俺が茉莉を守る』と言って人生を投げ出さないよう説得します。
果たして、ふたりはどのような結末を迎えるのでしょうか…。
本作の見所
①小松菜奈さんの圧巻かつ圧倒的なリアル演技
→担当医、恋人、家族に対しての言葉が本当にこの状況を体験した人しか掛けられないであろう魂が籠ってる台詞で、しかも迫真の演技で行われています。
②茉莉と和人がともに過ごす最期の夜
→性行為すら神聖な儀式のような、男性が愛してる女性を守り労わるような、単なる欲望や愛情確認の行為ではなく、大事な時間を共有してる感の描写が、他の純愛作品と比べて桁外れに素晴らしかったです。
③世界観がアニメでいう新海誠さんそのもの
→主題歌をRADWIMPSさんが歌われてるせいもありますが、違う世界を生きる男女が、物理的には離れ離れになるも、心や魂は未来永劫通じ合ってるという作風。そのように思わせてくれるような、濃厚な人生ドラマが展開されます。
感想
月並みな感想ではありますが、不幸な状況から学ぶことは多いです。幸せに生きることは何より重要ですが、満たされた状態から得るものはありません。
限られた人生だからこそ一生懸命生きるし、周囲の人々に感謝できるし、大切にできるし、愛おしく思えるのだなと改めて気づかされる作品でした。
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