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Netflixでグリム組曲第1話『シンデレラ』観ましたー。


はじめに

 Netflixでグリム組曲第1話『シンデレラ』観ましたー。内容的には、もしグリム童話がメルヘンではなく実話だったら?という着想から描かれたダークアンソロジーで、制作は東京BABYLON X 魔法騎士レイアース 『カードキャプターさくら』 『XXXHOLiC』 ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-などで有名なCLAMPの皆さんが担当しています。

 個人的には、主人公が可哀想な死に方をするか、好きな人のために自己犠牲の死を遂げるアンデルセン童話の方が圧倒的に好きで、特に、人魚姫マッチ売りの少女雪の女王などは子供の頃にかなり影響を受けました。

 今まで押井守さんの『人狼』などグリム童話をネタにしてるアニメはそれなりに観てきたのですが、あまり真面目に解釈や考察をしたことがなかったので、これを機にじっくり鑑賞したいと思いました。


 何となく、今は亡き菅野ひろゆきさんの『十次元立方体サイファー』や『エクソダスギルティー』、あるいは竜騎士07さんの『うみねこのなく頃に』を懐古するような気分で楽しめる気がしています。


第1話の概要&感想

 第1話は、原作では毎日いじめられているシンデレラが、実は継母とその連れ子である姉たちを手玉に取るようなサイコパスだったら?という話でした。
 日本においては、シンデレラは「おしん」に変換されて人気を博しましたね。私の親世代はみんな観ていて、最高視聴率62.9%という驚異的な数字を記録していることから、日本人には馴染みの深い童話と言えるでしょう。

シンデレラの大まかな流れ

①シンデレラは、継母とその連れ子である姉たちに日々いじめられていた(父親は作中に一度も登場しない)。

②あるとき、城で舞踏会が開かれ、姉たちは着飾って出ていくが、シンデレラにはドレスがなかった。

③舞踏会に行きたがるシンデレラを、不可思議な力(魔法使い、仙女、ネズミ、母親の形見の木、白鳩など)が助け、準備を整えるが、魔法は午前零時(=日付けが変わった瞬間)に解けるのでそれまでに帰ってくるようにと警告される。

④シンデレラは、城で王子に見初められる。

⑤零時の鐘の音に焦ったシンデレラは階段に靴を落としてしまう。

⑥王子は、靴を手がかりにシンデレラを捜す。

⑧姉2人も含め、シンデレラの落とした靴のサイズは、シンデレラ以外の誰にも合わなかった。

⑨シンデレラは王子に見出され、妃として迎えられる。


グリムによる『灰かぶり姫』

①魔法使いが登場しない(当然カボチャの馬車も登場せず、代わりに白鳩が主人公を助ける)。

②美しいドレスと靴を持ってくるのは、母親の墓のそばに生えたハシバミの木にくる白い小鳥。

③ガラスの靴ではなく、1晩目は銀、2晩目は金の靴である。

④シンデレラが靴を階段に残したのは偶然脱げたのではなく、王子があらかじめピッチを塗って靴が絡め取られたから。

⑤王子が靴を手がかりにシンデレラを捜す際、連れ子の姉たちは靴に合わせるためにナイフで足(長女が爪先、次女は踵)を切り落とす。しかしストッキングに血が滲んで見抜かれる。

⑥物語の終わり、シンデレラの結婚式で姉2人はへつらって両脇に座るが、シンデレラの両肩に止まった白鳩に両目ともくり貫かれ失明する。

⑦シンデレラの結婚式の日、姉たちは足を切り落とされて松葉杖の生活になり、主人は首を吊って自殺してしまう。シンデレラは彼女達が今までの報いを受けた事に満足し、うれしさに満面の笑みを浮かべた。


 実際に似たことが起こって、それが童話に変換されて伝わったものと推察されますが、国によってまた著者によって伝えたい思想と内容が異なるのは実に興味深いです。
 日本の場合、理不尽と艱難辛苦に耐えて大成する話として描かれているのに対し、グリム童話では復讐と因果応報の物語として強調されているのは明らかですね。


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