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さよならワイドパンツ

今日も太っている。


現代において他人の容姿、体型に口を出すのは絶対的タブーとされているが、イジられようがイジられまいがわたしは自分の体型に納得はしていない。ロールモデルにしている女の子は標準体型〜細身の子ばかりである。

痩せたい痩せたいと言いながら同じ体型のままでいるのは意思の弱さの表れにほかならないが、少しだけ言い訳させてほしい。

①心身の健康を維持するために必要な栄養量を摂るしかなかった
②体型に関係なくそこそこ幸せだと思える場面が大人になってからぐっと増えた 

わたしは嫌なことがあるとすぐ食に走る典型的なタイプで、すぐお腹いっぱいになるまで食べてしまう。食べているとき、というより咀嚼してるときが一番幸せかもしれなくて飲み込んでから後悔くることが多々あった。1年前までは過食嘔吐の症状に悩まされていて、通院を続けていた。日々のストレスや過去のトラウマに向き合い続けているとどうしても食に逃げたくなる。
学生時代と違って、一生懸命仕事をしていれば体型のことで惨めな思いをすることはなくなった。性愛の場を除いて真面目に生きていれば案外成功体験を多く獲得できている気がする。

3年前、転職で事務服→オフィスカジュアルで仕事をすることになったので安い店で仕事着を見繕うことにした。わたしはプライベートで着る服と仕事着を完全に分けたいタイプなので、休日に絶対履かないだろうなという感じのしっかりした生地のワイドパンツを色違いで3枚買った。
巷ではデブはワイドパンツを履きがちと言われているようだが本当にその通りでだらしない下半身が少しマシになったように見える。
転職先には仕事ができて面白くて美人な先輩がいたのだが、彼女はいつもアンクル丈のテーパードパンツを履いていた。仕事でサポートしてもらう度に、わたしも絶対痩せてテーパードパンツかチノパンで仕事に行こうと決意したのだが実際体型はそんなに変わっていない。

痩せたら、ロールモデルにしてるあの子に近づけたら、きっとファッションもメイクもセックスももっと楽しくなるんだろう。恋人なんかもできるかもしれない。
とりあえず継続できる食以外のストレス発散方法を見つけること、健康を維持することが最優先である。身の回りを整えて、自分のことを愛していきたい。かっこいいパンツスタイルで仕事に行きたい。


3年前に買ったワイドパンツは、ウエストのゴムが緩んでサイドの縫い目がほつれてきている。

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