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【週刊消費者情報】 『消費者情報』Web版 2月号配信号(No.507)予告〈連載編〉

「やせ薬」の適用外使用の問題が・・・
 『消費者情報』Web版2月配信号の連載についてご紹介します。
 その前に、連載のトップページ「現場からの情報・相談」でも取り上げられた糖尿病薬によるダイエット目的の使用についてお話します。この「やせ薬」の処方は、もちろん適用外使用です。効果や安全性が確認されていませんから健康被害等の問題が懸念されています。
 このような事案が散見される現状をふまえ、厚生労働省は近く医療広告ガイドラインを改正する動きがあります。新聞報道によりますと、同ガイドラインの改正案では、未承認薬を使った自由診療について①未承認薬であること②入手経路③海外での副作用情報③重い健康被害が生じても国から医療費の支給を受けられないこと――などを医療機関のサイトで明示するように求める、と書かれていました。重篤な健康被害が発生してからでは手遅れですから、ここは速やかに広告規制の強化を図るべきでしょうね。
 さて、連載の紹介にまいりましょう。

【現場からの情報・相談】
 「ダイエットのオンライン診療を受けたら高額な糖尿病の治療薬が処方された」という相談事例です。安全上の問題が大きく、しかも高額請求というダブルパンチの案件です。ビデオ通話で診療を受け処方されたという話ですが、金儲けのためには薬の適用外使用も辞さない医者がいるとは・・・あきれるばかりです。

【商品テストの機能と役割】
 昨年4月1日に道路交通法の一部が改正され、自転車の利用者にヘルメットの着用が努力義務化されました。ですから、最近まちを歩くとヘルメット着用した人を見かけるようになりました。「自転車用ヘルメットの品質などに関する現状と今後」と題し、自転車用ヘルメットの安全基準について専門的な立場から書かれています。

【がんばれ!消費者委員会】
 「消費者法分野におけるルール形成の在り方等 検討ワーキング・グループ(WG)の報告書について」と題した、ちょっとむずかしそうなタイトルです。が、読んでみますとそうでもありません。話の核は「破綻必至商法」(豊田商事やジャパンライフなど)をめぐる問題点を洗い出したうえで、消費者被害の防止のための制度整備等に向けた検討などの必要性について書かれています。

【団体訴権への展開】
タイトルは「KC‘sとして初めて消費者裁判手続特例法に基づく被害回復請求訴訟を提起しました」。昨年、特定NPO法人 消費者支援機構関西(KC’s)が提起した2つの訴訟についての報告です。1つは「消費者にチケット代金相当額の返還義務があることを確認する訴訟」。もう1つは「消費者にエステティックサービス契約代金相当額の返金義務があることを確認する訴訟」です。消費者利益のために日々がんばっている、そしてふんばっている適格消費者団体を応援しましょう。

【消費者庁 新未来創造戦略本部の取組】
 今回の報告は「公益通報者保護制度の実効性向上に向けて」と、「『エシカル甲子園2023』開催報告について」の2つです。ビッグモーターしかり、ダイハツしかり、企業不祥事は枚挙にいとまがありません。前者はそのような企業の不正に対して行われる通報者を保護する制度。ですから、当然ながら消費者利益に資する行動といえます。後者のエシカルという考え方も消費者の選択という点で、企業に少なからず影響を与える行動にちがいありません。消費者庁新未来創造戦略本部の取り組みに期待するとともに、消費者一人ひとりも公正な社会形成に参画していかなければいけませんね。

【つくる責任・つかう責任を考える】
 新シリーズの第4回目は、関西学院大学経済学部准教授の村上 佳世さんに登場いただきました。「環境経済学から見た、環境問題をめぐる生産者と消費者のあり方について」と題し、社会の損失を可視化するための必要性と消費者の望ましい選択について論考いただきました。

【ネット漂流】
 本シリーズ「ネット漂流」も77回になりました。タイトルは「SNSの収益化プログラムの影」です。なんでもかんでもお金にしようとするのが資本主義の原理です。しかし、その弊害について前項でも触れられていましたね。団体訴権も、公益通報者も、エシカルも、そうでした。ここでは、SNSで儲けたいがために耳目を集める詐欺投稿やフェイクニュースの問題を取り上げています。

                『消費者情報』Web版 編集室 原田修身

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