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自然数に「直感的な」確率測度が入らないことの証明

Xで話題になっているのを発見したので、自分なりに証明を考えてみました。 自然数全体の集合$${\{1,2,3,\cdots\}}$$を$${\mathbb{N}}$$とし、自然数$${m}$$に対し$${m}$$の倍数全体からなる$${\mathbb{N}}$$の部分集合を$${\mathbb{N}_m}$$とします。 可測空間$${\left(\mathbb{N}, 2^\mathbb{N}\right)}$$上の最も「直感的な」確率測度とは何か、考えてみましょう。それは

    • 「あなたの魂に安らぎあれ」感想

      神林長平「あなたの魂に安らぎあれ」(早川書房)を読みました。 この人の作品には「言壺」で初めて触れとんでもない衝撃を受け、「猶予の月」に続き本作が3作目の読書です。 流石というべきなのか、かなり面白かったです。 今まで読んだ神林長平の3作はいずれも読後感が微妙に異なり、しかもいづれも文句なしに面白いというのは凄いことだと思います。 「言壺」は世界観だけで人を没頭させ、現実の見方すら変わってしまうような魅力のある本で、「猶予の月」は読後しばらく世界観に浸りきるような本でし

      • 「キドナプキディング 青色サヴァンと戯言遣いの娘」感想

        西尾維新「キドナプキディング 青色サヴァンと戯言遣いの娘」(講談社)を読みました。 戯言シリーズは中高時代に愛読していたので、この年になって新刊が読めることに感謝の念を禁じえません。 情報を最初に見たときの第一印象は「表紙の子可愛いなオイ」でした。表紙に限らず、今回のキャラデザはいままでの同シリーズの中でもストレートに可愛い女の子が多かったな、と思います。 この作品は、簡潔に言えば「古い友人と久々に会って飲み明かした会」だと思います。主人公たる盾ちゃんから「そういえばパ

        • 「太陽の黄金の林檎」感想

          レイ・ブラッドベリ「太陽の黄金の林檎」(ハヤカワ文庫)を読みました。 ブラッドベリは「華氏451度」「歌おう、感電するほどの喜びを!」に続く三冊目の読書ということになりますが、「太陽の黄金の林檎」は前2冊に比べると全体的に哀しい、暗いイメージの短編が多く収録されている印象です。 全編を紹介してしまうと結構な量になってしまうので、特に印象に残った何編かを選んでご紹介させていただきます。 あんまりネタバレをされて困るような本ではないと思いますが、内容に触れている箇所も大いにあ

        自然数に「直感的な」確率測度が入らないことの証明