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プラズマ技術が創造する未来産業

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 これまで、最先端テクノロジーの世界、たとえば、人工知能、脳科学、IT生命科学、量子コンピュータ、ドローン、空飛ぶクルマ、宇宙ビジネス、拡張現実など、さまざまなテーマに取り組んできました。テーマごとに、私自身の思い入れがあり、かなり大胆な発想やコメントも載せさせていただいています。
    今回はプラズマ技術の世界です。よろしくお願いいたします。


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プラズマとは
固体・液体・気体に続く第4の物質の状態


 温度が上昇すると、物質は固体から液体に、液体から気体へと状態が変化する。気体の温度が上昇すると気体の分子は解離して原子になり、さらに温度が上昇すると原子核のまわりを回っていた電子が原子から離れ、正イオンと電子に分かれる。

この現象は電離とよばれている。そして、電離によって生じた荷電粒子を含む気体を「プラズマ」とよぶ。プラズマとは物質が陽イオンと電子に電離した状態であり、固体・液体・気体に続く第4の物質の状態といわれている。

「プラズマ」・・・固体・液体・気体に続く第4の物質の状態

プラズマは、ラジカル(活性種)、エレクトロン(電子)、イオン(電離子)、フォトン(光)の集合体である。プラズマは分子や原子をバラバラに遊離させ、物質の形を消滅させてしまうといえる。

自然界におけるプラズマ

 プラズマという言葉は日常生活で使うことはほとんどないのではと思われるほどであるが、自然界においては、ありふれた現象であり、宇宙空間の99.99%はプラズマ状態であるという。よく知られるプラズマ現象としては、太陽(コロナ)、雷、オーロラなどがある。
 また身のまわりでは、蛍光灯やろうそくの炎、また空気清浄器などもプラズマと関係している。

よく知られるプラズマ現象


プラズマ応用の新ビジネス戦略

プラズマ医療の可能性とビジネス展望
 

   大気圧で容易に扱える低温プラズマの出現により、バイオ技術にパラダイムシフトをもたらしている。

   プラズマ医療とは、プラズマを利用して人の細胞を直接治療することであるが、プラズマの医療への応用は、医療器具などの滅菌、ガン治療、止血、細胞への遺伝子導入、免疫治療、創傷治療などがある。

   プラズマをガン細胞に照射すると、正常細胞に比べて高い選択比で死滅させることができる。脳腫瘍や胃ガン、膵(すい)ガン、皮膚ガンなどのあらゆるガンに対して、プラズマによる細胞の死滅効果が普遍的に観察されるという報告もある。(2013年3月、名古屋大学プラズマナノ工学研究センターの堀勝教授と、医学部附属病院先端医療・臨床研究支援センターの水野正明教授らは、卵巣ガンに直接プラズマを照射すると、ガン細胞が死滅したことを発表した。さらに、プラズマを照射することが困難な部位や抗ガン剤に抵抗を示すガン(再発卵巣ガンなど)に対して、プラズマを照射した培養液を投与。すると全てのガン細胞だけが24時間の内にアポトーシスし、正常細胞には全く異常が無いことが分かった。 (この研究成果は、平成25年12月18日付(米国東部時間)米国科学雑誌PLOS ONE電子版に掲載された。)

    プラズマ照射による医療器具などの滅菌では、プラズマジェットを細菌やウイルス、カビなどに直接照射することにより、それらの微生物を死滅させることができる。

    プラズマ照射による滅菌の機構は、紫外線やROS、RNS、あるいはそれらの相乗効果による、生体組織の切断や酸化などによる。
    従来の過酸化水素や酸化エチレンを用いた滅菌法では容易に処理できなかった炭疽(たんそ)菌やウイルスなども、短時間で滅菌できることが分かってきた。コストの観点からも有利であり、今後の普及が期待されている。
    またプラズマを細胞に照射すると細胞の働きが活性化し、遺伝子が細胞の中に導入される。この手法は遺伝子治療やiPS細胞の作成に革新をもたらすと考えられている。
    問題は、どんな装置でどうプラズマを照射すれば望む遺伝子導入ができるかである。強く照射すれば遺伝子は入りやすいが細胞が損傷しやすく、弱ければ細胞ダメージは小さいがうまく遺伝子が入らない。この課題を解決するのが髪の毛より細い直径約70ミクロンのプラズマ照射管で、強いプラズマを細い管で集中照射することで、高効率に細胞内に遺伝子が導入できる仕組みでが開発されている。「皮膚や臓器、神経、がん細胞に至るまでプラズマを用いた遺伝子導入が実用化されれば、遺伝子治療や製薬など、医療をめぐる分野に革命が起こる。」(愛媛大学工学部・神野雅文教授)としている。プラズマ照射機器開発にはパール工業株式会社、株式会社ワイ’ズが関わっている。

    ここでは、プラズマ医療の未来技術、未来製品についてヒントとなるものをまとめている。とくに、日本の先進的研究者の動きを中心にまとめるものとする。

プラズマ療法の可能性とビジネス展望

    プラズマの用途として、医療や農業などがあるが、先進的研究者の中には、プラズマを積極的に健康づくりに役立たせようという研究が盛んである。
    2021~2022年にかけて、メドベッドという、宇宙由来の医療機器が注目されたが、この真実性については別調査にてまとめているが、このメドベッドの着想の一部について、研究開発、製品化の動きがある。(高藤総合研究所など)

    ここでは、プラズマを活用して開発製品化された上記の健康機器についてポイントをまとめるとともに、宇宙由来の医療機器として関心が寄せられているメドベッドについて、今後の可能性についてまとめている。

    プラズマ発生ベッド(プラズマ メッド ベッド)の開発に成功した、高藤総合研究所の高藤恭胤氏は、「テレビ、新聞・雑誌などでプラズマという言葉が氾濫していますが、本来は「第4の物質」です。水でたとえるとわかりやすいと思います。水は凍らせると固体になります。固体になったものに熱を加えると液体に変わり、液体にさらに熱を加えると気体に変わります。この蒸発している気体にさらに熱を加えると、水素と酸素にわかれ、原子レベルになります。これと同じように、プラズマも原子レベルで存在している物質なのです。」と述べており、「私たちが住んでいる地球は宇宙のなかに存在し、宇宙は99.99%がプラズマで構成されていることがわかっています。人の体もプラズマで構成されているといっても過言ではありません。このため、プラズマを発生させて活用すれば、人の健康に役立つことは当たり前といえます。」としている。・・・

低温プラズマ応用産業の可能性と需要探索、市場展望に関する調査

低温プラズマ応用産業の可能性と需要探索、市場展望に関する調査
-低温プラズマのアプリケーション開発、市場予測、ビジネス戦略-


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