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誠が犯した過ちを聞き出し
それをネタに、毎日の押しかけ居座り訪問を辞めさせられるかもしれない
「ほら、神様ですらこんな事してるんだから、お前が何かをしでかすなんて
大した事じゃなんだよ」
誠は何か考え事をしているようだった
「確かにそうだよなー。俺は星座にはならないもんなー」
そこかよ
引き続き悩んでいる様子の誠
ここまで話してまだボロを出さない
なんだコイツは何をそんなに考えている
もしかして、警察沙汰とかよっぽど大きい事件なのか?
なんか大事に巻き込まれようとしている?
「あのさ?」
「え!?」こちらも考えすぎて、誠の問いかけに思わずギョッとしてしまった。
「なんだよ?」平気なフリをして返事をする
「自分が狂ってる思うことある?」
これはついに餌に食いついたと言うことなのか
それとも今までの流れを無視をして、新たな話題を振ってきやがったのか
後者だったらもうコイツをここで捌いてやる
「さぁな、考えたことないから。でもそれが答えか。なんでだよ。お前は自分が狂ってると思うのか?」どっちだ?
「あぁ、多分狂ってたんだと思う」
ついに食い付いた!!!
ヤバイヤバイ気持ちが顔に出てしまう。上がってしまう口角を必死に下げる。
「狂ってたって、酔っ払ってとか?」
「いやシラフだよ」
「え?じゃあ薬?」
「やってねーよ。俺をなんだと思ってるんだよ!」誠の声が大きくなる
少なくとも、まともなヤツだとは思ってない
「冗談だよ。それで何があったんだよ」もうここまで来たら逃さない
絶対に釣り上げて見せる
「いやー、実はさ・・・」誠は静かに語り始めた

三日前のこと
この家からの帰り道
夜遅い22時すぎの薄暗い住宅地を歩いてると
前から仕事終わりだろうか
1人の若い女性が歩いて行きた
誠はその女性に見覚えがあった
おそらく大学で同じ学部の一個上
以前、同じ授業を受けていたが今年から見なくなった女性だ
年が近いにも関わらずクタクタで、悲壮感を通り越して瀕死の様子だった
まっすぐ歩けていない
すれ違い様、彼女は躓いたのかよろめいたのかわからないが
前方にそのまま倒れそうになった
誠は反射的に片手で彼女を体を受け止めた
受け止められたの誠のフィジカルの強さがあったからではない
彼女の体が信じられないくらい軽かったのだ
「え?」その重さに思わず声が出た
「すいません。ありがとうございます」彼女は消え入るような声をこぼした
「あ、いえ…」
彼女は体勢を立て直し、再び帰路についた
何か心配とも違い、不穏な何かを感じていた
終電に乗れればいい
誠は踵を返し、少し距離をとって彼女を追うことにした

「ストーキングした」誠ははっきりと言い放った
「まぁ、そうだな」とりあえずそう答えるしかなかった「でも、まぁ気になるもんな」
さっきまで、あんな饒舌だった自分が、口篭ってしまうのを感じている
でも、ストーキング行為が本題ではないだろう。もう少し聞く必要がある「それでその後は?」
「ああ…そのまましばらくついて行ったんだ」

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