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幼い頃から冒険物が好きだった
絵本でも、アニメでも
主人公が広い世界を旅し強大な敵と戦う
でも、私の好きな主人公像は決して強くなくてもいい
小粋に敵の攻撃をかわし、時々かわしきれずに顔面で受ける
幸運に見舞われコミカルに敵を倒すそんな主人公が好きだった
いや進行形で、今でも好きになるのはそんな主人公像だ

小学校1、2年生ぐらいの時から断片的に記憶に残っている作品があった
めちゃくちゃに怖くてでも最高に面白かった映画作品だ
その時の状況も一緒に覚えている。
畳に布団を敷いて浴衣姿だった。おそらく温泉旅館だろう。
普段は9時に寝ていたが、家族旅行ということで
夜更かしが特別に許可されていたのかもしれない
家族4人でたまたまテレビ放送していた映画を見ていたのだろう
旅館のブラウン管の中では
中折れ帽子を被ったアクションスターが飛んだり跳ねたりしてながら
最終の目的地である崖の壁に造られた寺院へとたどり着く
しかし、敵もそこで待ち構え、なんなら敵は主人公の父親を人質に取っている。絶体絶命だが主人公は父を助けるべく、恐ろしい寺院の奥にある不老不死秘宝をとりに動き出す

主人公が行く前に、敵の下っ端が寺院の奥に進んで行った
蜘蛛の巣と煙が立ち込め、奥がどうなっているのか確認できない
恐る恐る進み、煙の中に消えていったかと思うと
「うわあーーーーーーーーーーーーー!!」
悲鳴が届き、下っ端が消えていった洞窟の奥から何かが転がってくる
下っ端の生首だ。

いやーーーーーーーーーーーーーー!!と
当時10歳にも満たない私はビビり倒す
でも、主人公はその恐怖の先に進んでいくのだ
観ないわけには言わない。。。
親の陰に隠れながら彼にエールを送る

彼は持ち前の知識と経験、そして幸運に見舞われながら
最初の謎をとき首が繋がったまま次の関門通過
また次の関門も危うく剣山に貫かれそうになりながらも通過
そして三つ目の関門
目の前には断崖絶壁、何十メートㇽ下に川が見える
落ちれば即死だろう
絶壁の向側20メートル先にはまた絶壁がそびえ立つ
どうやら渓谷のようだ
反対側に崖には洞窟がある
どうにかして向こうに渡れと言うことか。。。
さあ、彼はどうやってこの渓谷わたるんだ!?

拙い描写ですが、ここまでの内容で
なんの映画かお気づきの方もいるでしょう

この後に続く不老不死秘宝の顛末までをずっと覚えていた
と言うよりは脳裏に焼き付いて
夢の中での怖いシーンとしてしばしば出てきていたのだ
だいぶ鮮明な映像を頭に浮かべることができた
ただ、肝心なタイトルと主人公の名前だけが私の記憶にはなかった
その頭の中の映像が正しいのかどうかも確認はできず
夢の中の恐怖は更新されないまま時がたった

中学生になって
映画館に母親とある作品を見にいった
そこで目の当たりにしたのは
見覚えがある中折れ帽、鞭さばき、
決定的だったのがあのテーマソングだった
夢にまで出てきてた彼が目の前にいる
ブラウン管ではなくスクリーンの中でコミカルに強大な敵と戦っている
考古学者で名前がインディー
蛇だけが唯一苦手な中年で
古代のロマンを追い求めるうちに強大な勢力を敵にまわし
科学では説明できないような未知との遭遇をする
5~6年の月日が経過して、私は彼との再会を果たしのだった

やっと彼が正体がわかった
調べてみると
彼は過去にも沢山の冒険をしていたようだ
「失われたアーク」
「魔宮の伝説」
「最後の聖戦」
「クリスタルスカルの王国」
母と見たのは当時最新作「クリスタルスカルの王国」
私が小学生の時に見たのは「最後の聖戦」だったようだ

私は彼への興味関心が溢れ出し過去作品を全てチェックした
見れば見るほど私が好きな主人公、ずぶずぶと沼にはまっていった

そして別のところでハマっていた「スターウォーズ」の
EP4〜6の「ハン・ソロ」役にも同じ俳優の
ハリソンフォード氏が演じている
こちらもユーモラスな役で俗にいうダメ男なのだが
やる時はやる男というかカッコいいワルな男
中学生時代の中二病全開だった私の
半分のはハリソンフォードでできている言っても
過言ではないだろう(絶対過言)
因みに、もう半分は「パイレーツオブカリビアン」で
「ジャック・スパロウ」を演じたジョニーデップだ

しかし、大学生3年生の時事件が起った
スクリーンの中でハン・ソロが死んだ
心から愛し、救い出したかった息子によって殺された

そして今年
インディージョーンズは
考古学教授の仕事に定年を迎えた
彼の姿は、若い者の足を引っ張るおじいちゃん
頭脳と経験はあれど体が追いつかなず
どこかで自分の死場所を探す
悲しい男の姿が画面に映っていた

きっと、これがジョーンズ最後の冒険なのだろう
あの頃の輝かしいかった中学校時代の私の半身は
アルバムの中のクラスメイト写真のように
思い出へと昇華されてしまった

ありがとうジョーンズ。
もう私も子供ではないのだ
誰かの記憶に残る冒険を始めてもいい年だろう
あのテーマソングがずっと頭をループしている



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