精神疾患の研究と世界で初めて投薬無しで乗り越えたエピソード5 日本の精神病棟の実態と精神病棟で出会った愉快な仲間たち
1.強制入院させられた精神病棟で、感じた日本 の精神医療の闇
2.個室病棟から出て出会った愉快な仲間たち
1.統合失調症を発症し、強制入院させられた日、私は担当医師(茂木健一郎に似ていました)
に文句を言いました。
「私は、自分の意思でこの病院に来たわけでは無い。今すぐにここから出す様に」
私の要求は全く聞き入れられませんでした。日本の精神医療の恐ろしい闇。それは本人の同意無しに家族や周りの人が、精神病の疑いのある人間を精神病棟に強制入院させることができる。そしてその手段は、業者を使って強制連行する事も可能。
その時に、心から感じた怒り
出る杭は打たれる。日本人は昔から横並びが好きな民族だと思います。
少しでも違った人間は排除する慣習。個性を認めない文化。不揃いな野菜ははじかれる様に、日本人は昔から、不都合な人間を村八分にしたり、働けない弱った老人を姥捨山に捨てたり、キチガイを隔離し、ハンセン病患者を虐待してきた歴史があります。
そして文明が進んだ現在の日本でも、まだこの様な人権侵害が、社会の裏で確実に行われている事を知り愕然としました。
私はその夜、妻が用意したパジャマに着替え、鍵がかかった監視カメラのある個室病棟で夕食をとりました。
飲み物にお茶を出されましたが、カップをよく見ると私の子供の使っていた物でした。妻が持ってきたと分かりました。
私はそれを見た瞬間に、非常に悲しくなり、涙が溢れて、声を出して泣きました。
翌朝、担当医が私の部屋を訪れました。
医師は私に
「何か幻聴が聞こえたりしないか?」と執拗に質問してきました。
幻覚の様な物、私は完全に目の錯覚だと信じていましたが、その様な体験はしましたが、幻聴はなかったため、その様な体験は全く無いと話しましたが、その医師は信じませんでした。
それから1週間ほど、隔離病室で毎日同じ質問を受けましたが、私は幻聴に関しては全く体験が無い事を訴えました。
また毎日同じ質問を繰り返す医師に腹が立ってきて
「あなたは私が望んでもないのに強制入院させ、人をなんだと思っている。馬鹿にするのはいい加減にして欲しい。あなたは私の担当医にふさわしくないから、私はこの病院から出て、実家の近所の医者に診てもらう。そもそも鍵のかかった部屋に隔離するのもおかしい」
私はひどく反発したため担当医は困惑して、困った顔をしました。
そして個室病室からは出られなかったものの、その日から外から鍵をかけられなくなりました。
ただ何故か、夜寝る時は内側から鍵をかける様に言われ、笑ってしまいました。
2.翌日から、部屋の出入りが自由になり、集団病棟に遊びに行くことができる様になりました。
集団病棟では老若男女50人ほどが入院しており広いラウンジがあり食堂の様にテーブルと椅子が並べられて、テレビや新聞、本や将棋などが置かれていて、また寝室は6人部屋になっていてベッドが並んでおり、男女で区画が分かれていました。
私は、テレビの前のソファーに座り、1週間ぶりにテレビを観ました。そこには10代の男の子、10代の女の子2名、30代の男性がいて話をしていました。
私も、話の輪に加わり、それぞれの話を聞きました。
10代の男の子Aは中学生で、家に引きこもっていたところ親に、うつ病で入院させられたという事でした。髪を肩まで伸ばしており、メガネをかけていたので、確かにオタクっぽいなと思いました。
10代の女の子Bは、首に深い傷がありました。話を聞くと、両親が離婚し、母親と暮らしいたが、母親の交際相手と仲が悪く、自暴自棄になってナイフで自分の首を刺し、自殺未遂で連れてこられたとのことでした。
10代の女の子Cは、高校生で進学校で学び、筑波大学を受験したが不合格になり、それが原因で統合失調症の症状が出て入院していました。
30代の男性Dは、筑波大学を卒業後、建設会社を起業したが倒産してしまい重いうつ病を患っていました。
皆さん色々な事情があって入院しているんだなあと思っていましたが、
私も何故、個室にいるのか聞かれ事情を説明しました。皆私の話を親身に聞いてくれて、嬉しく楽しい気持ちになりました。
日中は集団病棟で過ごし、夜は自分の個室で寝る日々が続きました。
1日のルーティンはざっくりこんな感じです。
朝7時起床。
テレビを観ながら新聞を読み朝食を食べ、歯を磨く。
午前中はテレビを観たり本を読んだり仲間たちとおしゃべりをし、担当医と少し話をし
12時に昼食
午後もテレビを観て、仲間たちと話しをし、15時におやつを食べて過ごし
18時に夕食。薬を飲み(私は薬嫌いのため飲んだふりをして吐き出していましたが)
そのあと21時の就寝までは自由に過ごす
この毎日が、精神病棟の日常になります。
続きは
精神病棟で出会った愉快な仲間達2
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