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働いてお金をもらうということ

大学に進学し、仕送りだけで生活できる訳もなく、
ついに人生初のバイトをしようと決意。
バイト選びの基準は明白。
・ラーメン屋さん
・賄い付き
以上。
ケータイサイトで面接の申し込みをして、
人生初の履歴書を書く。

迎えた面接当日。
どんなものか緊張して行ったら、
めちゃくちゃ見た目がいかついお兄さん。
年は35くらいか?“大将”と呼ぶにふさわしい。
果たして面接はただ雑談をして終わる。採用。

数日後。人生初のバイト初日。
何をするか分からず、かといって指示も仰がず、
ただ佇んで時間を過ごすだけの姿勢を保つ。
いま思うと、本当に恥ずかしいくらいの受け身。
当時は、社会を何もしらないただの坊っちゃんだった。
大将はそんな坊主にどう接したのか。

「おりちゃん。(初日から四年間一貫してこの呼び名。)あんな、仕事ちゅうのは、自分から探しにいかなあかんで。」
めちゃくちゃ淡々と、でも優しさを感じる言い方。
そこから、仕事を自分で探す姿勢を貫き、早や18年。
この時の大将の年齢を超えて思うこと。
「よくぞ、あんなに冷静に、かつ温かく、本質をビシッと若者に伝えられたな。」「自分は若手に、仕事を教えているかな。」

私の仕事の原点です。当然、大学四年間はここで勤めあげました。卒業時に、本気で就職を奨めてもらったことは、自慢です。

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