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「超訳・幸田露伴の努力論」を読んで・・・

三輪裕範著「超訳・幸田露伴の努力論」を読みました。
例えば「人間は努力するように生まれてきた」とか「二種類の努力を忘れるな」といった見出し毎に、ほぼ1ページを割り振って解説しているので、とても読み易かったです。ほとんど数時間で読み終える事が出来ました。

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中でも、自分が一番気に入ったのは「人を信じるのは苦行だが、そこから生じる災難も全て受け入れる覚悟で人を信じるべきだ」という主張です。

幸田露伴は「人を信じないのは良くない事だとわかっていても、世の中の荒波をくぐり抜けてきた者には、その中で味わった苦い経験の数々が、人を信じる事を妨げようとするものだ。それでも人を信じるべきだ。人を信じようとすることは、苦しいけれども通り抜けなければならない一種の苦行なのだ」と言っています。

なぜかと言えば「一人で出来ることは限られているから、誰かを信じて頼らない限り大きな発展は無い」と言うことです。
その上で「人を信じた事で災いが生じても、それを受け入れる覚悟を持って信じよ」と。潔い言葉だと思います。
まぁ、上に立つものとしての一種の帝王学なのかもしれません。

肝心の「努力」に関しては「努力は成果に関係なく、すべきもの」で「常に前進していきたいという情熱を持って生まれた人間本来の姿だ」と言い切っています。

しかし、その努力にも「直接の努力」と「間接の努力」の二種類があり、「直接の努力」は「さしあたって当面の努力で目の前のことに全力を尽くす事」。「間接の努力」は「将来に向けて準備する努力、基礎となる努力」で、その両方が必要だと言っています。
その他は、項目のみ列挙すると・・・

1)努力で運命を切り開く
2)幸福を引き寄せる
3)目標に向かって進む
4)無理のない生き方をする
5)自分の「気」をコントロールする
6)高級な感情を育てる
7)シンプルな生活を送る
8)自分と人の能力を伸ばす
9)事業を発展させる
10)人間関係を築く

まぁ、いわゆる若者への啓発本です。
どれも正論だと思いますが、私には、取り立てて目新しい事を言っているようには思えませんでした。

ただ、幸田露伴の自己啓発も、前に紹介した「GIVE & TAKE」のように「より高見を目指す為には、自助と互助のバランスが必要」と説いているのが印象的でした。やはり、洋の東西を問わず、人間「TAKER」ではなく「GIVER」にならなければならないのかなぁ・・・と思った次第です。
(過去の記事を参照してください。)

この本を読んだからと言って、じゃぁ努力しようとか、人を信じようとか、すぐに行動に移せるものではありませんが、少しでも人生を前向きに生きようと思えたら儲けものなのではないかと思います。

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