ディズニー映画『ウイッシュ』を哲学的に考察してみた。柄谷行人氏の『力と交換様式』を導きの糸にして
『ウィッシュ』はディズニー創立100周年を記念して制作された映画である。舞台はイベリア半島に位置するロサス王国。この王国を統治するマグニフィコ王は幼少期に家族や共同体が悪党によって破滅に追いやられた過去を持っていた。この原体験を契機に魔法を独習し、王国設立後魔法を使って国の安寧を司っていた。そして同じ悲劇が起きないよう、王は儀式を通じて住民の願いを信託させ、社会に利益をもたらすもの(社会に脅かす可能性が低いも)だけを実現してあげていた。(願いを預けたタイミングで願いが記憶から