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『KGF2』というヤバいインド映画を観た。

【追記&ご注意】この記事には『K.G.F: Chapter 1』『K.G.F: Chapter 2』のネタバレ要素がある動画が含まれています。テキストでは可能な限りバレ要素は控えていますが、映画を観る前に動画を観てしまうと残念なことになるので予めご了承ください。

日本の公式予告動画はこちら。さいこうにかっこいい。

公式のツイートはこちら。motoさんの人物相関図!

KGFシリーズは以下の人にはあまりおすすめできないです。
・暴力場面が苦手な人。血はそこまで描写されないけど人がたくさん死ぬ
・画面の切り替わりが激しい箇所があるので、光の点滅や音に敏感な人

逆にこんな人は最高にハマる映画なのでぜひ。
・暴力描写が大好き!ストレス発散に最高!悪は悪で滅ぼせ!
・マッドマックス大好き!強すぎるヒーロー最高!


KGF2を観るに至った経緯


土曜日の朝、インド映画自主上映会でKGF2(K.G.F: Chapter 2)という映画が上映されるらしい、という情報をツイッターで見かけた。
英語字幕しかないが、インドと同じタイミングで上映される。たまに有名な作品などを日本にいるインド人向けに期間限定で上映するスタイルのやつだ。

しかしこの映画、どうやら数年前からちょっとした話題になっていた作品の続編がついに登場したということで、期待値が高いらしい。とはいえ映画のストーリーは、マフィアの抗争とか70年代のダークなやつらしく、あまり今の気分にあわなそうだったので、フーンと読み流していた。

しかし、あることを思い出した。
そういえば友人が「KGF」について何か言っていたような。
数年前に1作目をみた彼女は「KGFの続編はまだか」「KFGというすごい映画があるんですよ」となにかにつけて布教していたのだった。

試しに彼女にその映画の続編かと聞いてみたら、DMでめっっっちゃ長いあらすじとか動画とかが送られてきた。
なんと彼女は、KGF2を観に行った直後だったのだ。

正直、彼女から送られてきたあらすじを読んでも意味がわからなかった。
どんな話なのかも理解不能だった。
何年も待ち望んだ映画の続編をみた後の語彙は、消えてしまうものなのだろう。

しかし私は、気付いたらその足で会場に向かっていたのだった。
いまだにどうしてそんなことをしたのか自分でも理解できない。

KGF2のかんそう

1作目の「KGF」についてはほとんど情報を仕入れないまま、2作目をみた。誰が何の役なのかもよくわからないまま映画が始まり、しばらくの間は本当によくわからなかった。
字幕を追おうにも映像の圧が強すぎて、字幕どころではなかったからだ。

「私は一体何をみせられているのか?」

ただその思いだけが頭の中にあった。
その後中休みがあったものの、そのまま気づいたらエンドロールまで目を離せなかった。そして感想は同じだった。

映画が終わり会場を後にしたとき、ひとりで私は呟いた。

「私は一体何をみせられていたんだろう」

隣にいた友人はにっこりと笑った。

「ロッキーですよ。これはロッキーの映画なんです」

そう。これはまさにロッキーの映画だった。
ロッキーという一人の人間の生き様を、ただその場で感じた。そういう映画だった。

KGFシリーズについて

私はKGF1を見ずにKGF2をみてしまったので、これはいかんとすぐにKGF1を観ることにした。ネットにはいろんな動画が置いてあったので命が助かった。

K.G.F: Chapter 1 (1作目)

貧しい家庭に生まれたロッキーという少年がボンベイ(今のムンバイ)に行き、マフィアの一員となる。その後彼は密命を帯びてマフィアの裏金となっている秘密の金鉱に潜入するが、そこで虐げられた人々をみてある決意をする…!

とりあえずこの曲を聞いたら、なんかこのロッキーというのがなんかすげえなというのだけはわかる。

実はKGFはヒンディー語版で公式のフルムービーがある。KGF1とKGF2は続いているので、KGF1を見なければ2の意味がわからない。2の前にこちらで予習することをおすすめする。

とはいえ英語字幕もなくヒンディー語だけなのが難点。

ロッキーはなんでも暴力で解決するヤバいやつだけど、女性と子供にはとても優しい。辛かった子供の頃の自分を思い出すからだ。一目惚れした女性をまっすぐに口説くし、頭も良くて面白い。アンチヒーローの鑑のような男だ。

ロッキーが、とにかくかっこいい。1作目でこのかっこよさなのだ。

そして、これは…バーフバリのタマンナーちゃん?どうしてタマンナーちゃんがこんなヤベえダンスを嬉々として踊っているのか、全然関係ない役で登場しているのかよくわからなかった。でもタマンナーちゃんは存在が正義なのでうれしい。かわいいよタマンナーちゃん。(タマンナーちゃんはヒロインではありません)

というかんじで、音楽で予習してもいいかもしれない。

K.G.F: Chapter 2(2作目)

1作目でのし上がったロッキー。しかし彼を狙う者は多く、ついに政府とも対峙することになる。ロッキーの運命はいかに…!というかんじだ。

「俺は暴力が嫌いなんだよ。でも……暴力のほうが俺を好きなんだ(ドヤァ)」

と言いながら無双する主人公。
だめだ、あまりにも好きがすぎる。

1970年代〜の暗くてノワールなマフィアと裏社会と暴力とそして暴力という世界観に、少年が世界を手に入れるという物語が軸となり、そこにマッドマックスみが加わり、最後はもうロッキーを崇めるしかなくなっていく。

▽バレなし。歌詞のみ。TOOFAN つまり台風。ハリケーン。

インドでも予想以上の大ヒットでバーフバリに匹敵する売上だとか、週末の世界興行収入が第二位で全米でも十位以内に入っているとかなんかそういう数字の凄さみたいなのも流れてくるんだけど、さもありなんという思いだ。

KGF2のみどころ。

とにかくバイオレンス、バイオレンス、バイオレンス!!!暴力と筋肉と銃とハンマーが全てを解決する。バイクとは素手で格闘する。剣よりハンマー(木槌)。ノワール強めのマッドマックス。そういう映画なので。
暴力描写見ても大丈夫な人にはおすすめ。

▽SULTANA スルタン、つまり帝王の意味。すげー気分が上がる曲。歌詞のみなのでバレはない動画


観終わったあとは、ロッキーを崇めるしかない。ロッキーバーイ!

日本で日本語字幕付きで上映すれば、マッドマックスやバーフバリのように映画館にファンが押し寄せるのではないだろうか…もし日本でも上映されたら映画館に通うと思う。どうかどこか、上映権買ってください。お願いします。

それにしてもロッキーのキャラクターがとても良い。不穏で、何をしでかすかわからなくて、でもカッコつけているだけではなくて、信念があり野望を失っていないところ。1作目は本当に胸熱だった。

ヒロインも、ただのトロフィーではなくてマフィアのお嬢なので、そりゃあもう強い。そしてロッキーの母も、大統領も、登場する女性たちがとても強い。

この映画で、私はロッキーという一人の男の人生を映画で追体験した。
おそらく映画の中で語り部からの話を聞いていた人たちもみなそうなのだろう。普通の生活を送っている人には到底体験できない、暴力と金と権力の世界。暴力で問題を解決していく。力こそパワー!!!!

ロッキーの世界は過去の現実だったはずなのに、語り部の物語となるからか、現世とは隔絶された神話や未来の世界のようだ。
ロッキーが次に何をするのか、誰も予想することができない。
普通の人は、「それはだめだ」と思う。常識があるからだ。
でも彼にはそのストッパーとなるものがない。常識をぶち壊す。
だからロッキーはとても自由だ。だからみんなが、彼に憧れる。

さいごに。こんなすごい作品に出会えて幸せですありがとう。
サラームロッキーバーイ!

日本語字幕を観た感想。2023年7月14日追記

あとで別にページを作って感想呟きたい。
いやほんとまじですごかった。日本語字幕が!バーフバリやRRRの藤井先生と字幕監修の池亀先生のタッグがすごかった!!!!ありがとうございます!!!!!解像度あがりまくりでした!!!!

友達と語った内容をまとめたらこんなかんじになった。

ネタバレ入りの感想&考察をまとめたので、観た人はこちらもあわせてどうぞ。

追記:載せてなかったビデオソングまとめ

バレあり動画もあるので注意。ロッキー兄貴をご存じになったらみてみよう!

▽KGF1 Koti Kanasugala バレあり。

▽KGF1。バレあり。Sidila Bharava

▽KGF1 Dheera Dheera  1の良いシーン全部盛り。バレあり。

▽KGF1 親切な年代入り。かっこいいところ全部もり。バレあり。

▽KGF2 TOOFAN バレあり。ビデオソングのほう。

▽SULTANA、帝王のこと。バレあり。ビデオソングのほう。

▽エンディングの音楽。すげーかっこいい。公開当時のインドの熱狂の様子もわかるよ。バレ要素ほんの一部あり。

▽若い頃のおかあちゃんソング。泣く。歌詞のみでバレなし。

▽バレあり。おかあちゃん・・・・!!!!

▽バレあり。ヒロインのリナちゃんとの甘いロマンスソング。

カンナダ語、テルグ語、タミル語、ヒンディー語、マラヤーラム語などなどインドのいろんな言語で公開されているので、Youtubeにもいろんな言語の歌があるよ、でも日本で公開されたのはカンナダ語なので同じものが聞きたい人はカンナダ語を選ぼう!

サラームロッキーバーイ!!!

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