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貧血に”ひじき”は昔話

「私、貧血なんです。」
「それじゃあ、ひじきを食べないとね!」

昔は鉄分の王様として知られていたひじき。少し前までは、こんな会話がなされていました。

しかし近年、ひじきの鉄分量が大幅に減少していることが明らかになりました。

調理方法の変化や品種改良が原因と考えられます。

1950年に発行された日本食品標準成分表1950年版と、2020年に発行された日本食品標準成分表2020年版八訂を比較すると、その差は歴然です。

1950年版では、乾燥ひじきの鉄分量は “100gあたり88.0mg“だったのに対し2020年版八訂では “100gあたり6.2mg“と大幅に減少しています。

よって、貧血予防のためには、ひじきだけに頼らず、他の食材も積極的に摂取する必要です。

本記事では、ひじきの鉄分減少の理由、他の食材との比較、そして貧血予防におすすめの食材を紹介したいと思います。

ひじきの鉄分量が減少した理由

近年販売されているひじきの鉄分量が、昔のひじきと比べて大幅に減少している。

理由

調理方法の変化: 昔は鉄製の釜で煮ていたため、釜から鉄分が溶け出してひじきに付着していました。

しかし近年は、鉄製ではなくステンレス製の釜を使うようになり、鉄分が付着しにくくなりました。

品種改良: 近年は、柔らかい食感や食べやすさを追求した品種改良が進められています。しかし、従来の品種に比べて鉄分含量が低い傾向があります。

しかし、ひじきを食べること自体が無駄というわけではありません。調理方法を工夫したり、他の鉄分豊富な食材を組み合わせることで、効率的に鉄分を補給することができます。

2020年版日本食品標準成分表八訂を参照し、鉄分量と吸収率を比較すると、以下のようになります。

ポイント

・ひじきの鉄分量は、調理方法や品種によって大きく異なる。
・鉄分吸収率は、食材の種類だけでなく、調理方法や他の栄養素の影響を受ける。
・ビタミンCを含む食材と一緒に摂取することで、鉄分の吸収率を高めることができる。
・貧血予防には、鉄分だけでなく、ビタミンCやタンパク質も積極的に摂取することが大切。
・食生活の改善だけでなく、十分な睡眠や適度な運動も大切。

結論:鉄分を多く摂取する方法

・レバー、赤身肉、ほうれん草、牡蠣などの鉄分量が多く、吸収率の高い食材を積極的に摂取しましょう。
・ ビタミンCを含む食材と一緒に摂取することで、さらに効率的に鉄分を補給することができます。
・貧血症状が改善しない場合は、医療機関に相談しましょう。

参考資料

・日本食品標準成分表2020年版(8訂):国産ひじきは鉄分70%減?!鉄分補給の新常識!  からだカルテ  https://www.karadakarute.jp/hlp/column/detail/421
・ひじきの鉄分が9分の1に ?! 「ひじきは鉄分の王様」 は過去の話だったなんて…。(季節・暮らしの話題 2016年02月21日)

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