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20円で世界をつなぐNPO法人「TABLE FOR TWO」とは

皆さんは、「世界中の約10億人が飢餓や栄養失調の問題で苦しむ一方で、約20億人が食べ過ぎが原因で肥満状態にある」という事実を知っていますか?

この「食の不均等」を解決するために取り組むTABLE FOR TWOという日本のNPO法人があります。

TABLE FOR TWOのコンセプト

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TABLE FOR TWOは「1 つの食卓を2 人で分かち合う」というコンセプトのもと活動しています。

先進国の私たちと開発途上国の子どもたちが、時間と空間を越え食事を分かち合うというコンセプトです。

2016年までの約8年間で、日本国内外でのTABLE FOR TWOプログラムへの参加企業・団体数は700を突破。

食堂から始まったプログラムは、レストランやコンビニ、自動販売機や披露宴など、様々なかたちで広がっています。

TABLE FOR TWOの仕組み

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社員食堂を持つ企業や団体、学校などに、販売価格を20円上乗せして、低カロリーで栄養バランスのとれた特別メニューを提供します。

そして、その上乗せした20円は、アフリカなどの飢餓などで苦しんでいる途上国の学校給食費として寄付されるという仕組みです。

20円という金額は、日本では小さいように思えますが、アフリカの1食分になるとても大きな金額です。

つまり、食が「余っている国」と「ない国」をつなぐシステム。

このシステムは誰でも気軽に参加しやすく、決して寄付してくださいという押し付けがないのが特徴です。

自分の健康のためにとる食事が、社会貢献にもつながるという「WIN-WIN」の関係が成り立っていて、支援する側と支援される側という枠を超えて、双方にメリットのある素晴らしいビジネスモデルです。

TABLE FOR TWOが広がった要因

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TABLE FOR TWOが世界的に広がったのは、念密に計算された戦略があったからです。

TABLE FOR TWOの強みは「オンリーワン」の存在ということ。

TABLE FOR TWOは立ち上げた当初、類似したサービスのフードバンクを参考にするという案が出ていましたが、それを却下しています。

フードバンクとは、「食料銀行」を意味する社会福祉活動です。まだ食べられるのに、さまざまな理由で処分されてしまう食品を、食べ物に困っている施設や人に届ける活動のことを言います。
<引用:http://2hj.org/>

フードバンクというシステムは社会に貢献しており必要不可欠の存在ですが、同じことをTABLE FOR TWOが行うと、オンリーワンの存在としてポジションが獲得できない。

類似したサービスを行う場合、先行者が有利であり、仮に似たことをするなら既存のサービスに任せた方が得策な場合が多いです。

仮に類似したサービスを行ったとしても、基本的に人や企業は実績のある方を選ぶので、同じことをしてもあまり意味がないし、大きなソーシャルインパクトを与えることもできません。

そういったことを考えた結果、自分達にしかできないことをしようと、今のTABLE FOR TWOの形ができたそうです。

まとめ

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TABLE FOR TWOが世界に広がった要因としては、やはり「オンリーワン」の存在ということが非常に大きいです。

また、徹底的に他の団体の分析を行ったり、自分達にできることは何かということを突き詰めて、差別化したり、考え抜いた戦略を元に行動していることがわかります。

社会事業でも、一般企業と同じく利益を生み出さないと活動を続けることができないので、TABLE FOR TWOもコストを最小限に抑えたり、様々な工夫がされています。

またメディアなどに掲載される際には「協力してくれている団体」をできるだけ載せるようにするなど、様々な工夫が施されています。

TABLE FOR TWOのビジネスモデルからは、社会事業にとって何が大切なのかを学ぶことができます。

【TABLE FOR TWO】
公式HP:http://jp.tablefor2.org/
個人寄付プログラム:http://jp.tablefor2.org/donate/
Twitter:https://twitter.com/tftjp

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