天理大学長 永尾教昭

天理大学長 永尾教昭

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建学の精神と現代社会

今回は、まず少し、私自身の話をします。私は27歳から52歳まで25年間、フランスで生活しました。そこで、日本の常識が必ずしも世界の常識ではないことを知りました。 例えば、フランスの学校には入学式、卒業式がありません。給食当番、掃除当番ももちろん、ありません。日本では、ラグビー、野球などスポーツの試合の前後に「礼」をしますが、欧米ではやりません。 度量衡も違います。イギリスの道路はキロではなくマイル表示ですし、アメリカでは重さはパウンドです。 正月も国によって違います。オ

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      陽気ぐらしって?本学の建学の精神は「陽気ぐらし世界建設に寄与する人材を養成する」ことです。 この「陽気ぐらし」という言葉は普通の日本語ではなく、天理教の教えの中にある言葉です。 では「陽気ぐらし」とは、どのような世界でしょうか。私は「陽気ぐらし」とは、一言で言えば「苦労はあるが、不幸ではない世界」だと思います。 でも、苦労だが不幸ではない…。そんなことあるのでしょうか。 あります。例えば子育てです。ご両親に一度聞いてみてください。子育ては苦労の連続です。しかし、それを

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