今日も、いぬうた市に、のんびりとした時間が流れています。
天気も良くて、今、きゅん君と、ぐーちゃんのいる、
ドッグランも穏やかな雰囲気に包まれいて、
ふたりの他にも、わんこがあちらこちらにいるのですが、
それぞれがそれぞれの遊び方をしていて、
走っている、わんこもいれば、
ゆったりと日向ぼっこをしている、わんこもいて、
でもみんな楽しそうなのは一緒のようです。
そんな中、我らが、きゅん君と、
ぐーちゃんは何をしているのでしょう？
「僕は穴掘りだね。何だか今日は穴掘りしたい気分なんだ」
きゅん君はそうなんですね。
では、ぐーちゃんは何をしてますか？
「ぐーは今までは走ったりしてたけど、やっぱり、ぐーも穴掘りするー。実は、ぐー、きゅんよりも前に今日は穴掘りだと思っていたのよー」
あら、ぐーちゃんもこれから穴掘りするんですね？
きゅん君とケンカにならなければいいのですが。
と、案の定、ぐーちゃんが、きゅん君の掘った穴を、
横取りして、更に掘り始めたのです。
「こらっ！ぐー。そこは僕が先に掘った穴だぞ！」
そしてやっぱり、きゅん君が怒りました。
このままだと、いつものケンカコースですね。
ほら、言わんこっちゃない。
と、思ったら、おや、いつもと風向きが違うようです。
「変な言いがかり、つけないでよ！」
と、ぐーちゃんが言い返して、
ここまではいつもと一緒だったのですが、
続いて、ぐーちゃんが、
「この白黒は陣取りゲームで決めない？」
という提案をしたので、それで流れが変わったのです。
それに、きゅん君も、
「いいだろう。受けて立つよ」
と、了承しました。
いいですね。ケンカでなく、
遊びで勝敗を決めるのは実に平和で。
で、一体、陣取りゲームってどうゆう遊びなんですか？
「それはね。簡単だよ。お互い穴を掘って、深く掘れた方が勝ちさ」
と、きゅん君がルール説明してくれました。
なるほど。シンプルでいいですね。
「意義あり！」
が、ぐーちゃん、その、きゅん君の言ったルールに、
どうやら異論があるようです。
「違うわよ。きゅん。それじゃただの穴掘りじゃない。陣取りゲームは相手が掘った穴を力ずくで奪うゲームよ」
そうなんですか？
でもそれではただのいつものケンカと同じでは？
きゅん君もそう思ったみたいで、
「違うよ！陣取りゲームは、れっきとしたスポーツなんだから！」
と、そこから両者どちらも自分のルールが正しいと譲らず、
「何だと！」「何よ！」
と、そのうち、どちらかが足を出し、
「やるか！」「もちろんよ！」
と、ケンカに発展し、結局いつも通りの、
いぬうた市の、きゅん君と、ぐーちゃんでした。