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えっ?インコを口の中に

いぬうた市の、ぐーちゃんは最近よく思うことがあります。
人間の言葉が話せれば、どんなにいいか。ということです。
言葉の聞き取りは多少は出来る、ぐーちゃんですが、
喋ることは口の中の構造上のせいなのか、
少なくとも現時点においては、なかなか難しいと思われます。
それは重々分かっている、ぐーちゃんですが、
夢を時々見たりして、それが大好きなママと、
沢山お喋りをしてる夢で、そこでは、ぐーちゃんの話を、
楽しそうにニコニコ笑っているママがいて、
ぐーちゃんもとっても嬉しい気分になって、
でも目が覚めて、それが夢だと気付くと、
とっても悲しい気分になるのでした。
「ぐー、いつかママとお話ししたいなあ」
そんな気持ちがどんどん膨らんでくる、ぐーちゃんなのです。
そんな折、何気なく、家の1階のダイニングルームで、
テレビを見ていると、インコの生態に、
ついての番組がやっていて、
そこで、ぐーちゃんは初めて、
インコが人間の言葉を発声できる。
ということを知るのでした。
ぐーちゃんは、そこで、あるアイデアがひらめきました。
「そうだわ!これよ!インコさんよ!インコさんが、ぐーの口の中にいれば、ぐー、ママとお話し出来るわ!」と。
まあ、何て、突拍子もないことを、
思いついたんでしょうか。ぐーちゃんは。
だいたい、インコが仮に口の中に入ったとして、
それでインコが何かを喋ったとしても、
それは、ぐーちゃんが喋ったことには、
ならないと思うのですが、
しかし、ぐーちゃんは自身のアイデアに、
それ以来、夢中で、その間違えには、
とんと気がつく様子がありません。
マジ本気です。
で、ぐーちゃん、それ以来、どう自身の、
アイデアを叶えようとしたか?というと、
ひたすら、家の2階のベランダで、
ひたすら自身の口を開けて、飛んで来たインコが、
ぐーちゃんの口の中に入り込むのを待つ。
というものでした。
アイデアもアレですが、その方法もずいぶんアレな感じです。
だいたい、インコがそう都合良く、
ぐーちゃんの家に飛んで来て、更にピンポイントに、
ぐーちゃんの口の中に入る。とは、とても思えませんが、
逆に言うと、それしか方法が見当たらないのも確かで、
根気よく待つしかありませんでした。
「来ないかなあ。インコさん。早く飛んで来ないかなあ。ぐー、決して食べたりしないから。
ただ口の中にいらっしゃってくれればいいから。何も心配しないで、おいでなさって下さいな」
と、ここのとこ、暇さえあれば、ベランダで口開けてる、
ぐーちゃんなのでありました。
いつの日か、ママと話せるのを夢見ながら。

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