今日の、いぬうた市の、きゅん君と、ぐーちゃんといえば、
ママはちょっとお出かけしていて、本来、休日なので、
家にいるはずの飼い主も気がついたらいないので、
結果、留守番ということになってしまっている、
おふたりなのでありました。
「そうなんだけど、ちょっとおかしいことがあるんだよね」
何ですか？きゅん君。おかしいことって。
「１階のダイニングルームのテレビが点いているんだよね。誰もいないのに、さっきから、どっかで音がしているなあ。と思ってダイニングルームに来てみたらテレビが点いているんだよ」
きゅん君がおかしいって思うことはそれですか？
単に飼い主が出かける時、
消し忘れただけじゃないですかね。
「僕もそうだと思うんだけど、飼い主が出かけた時はテレビ点いていなかったような気がするんだ」
それは本当ですか？
だとしたら、確かにそれは変ですね。
でも、きゅん君、飼い主は、気がついたら、
いなかったのではないですか？
飼い主が出かけたのをハッキリ覚えてないんですよね。
「正確に言うと、出て行った姿はハッキリ見てないんだけど、バタン！とドアが閉まるのを聞いたような覚えはあるんだ。で、その時はテレビの音はしてなかったと思うんだよね」
「きゅん！それが本当さんだとすると、確かにおかしいわ。ミステリーさんだと言ってもいいわね」
と、いつの間にか会話に参加している、ぐーちゃんですが、
その、ぐーちゃんの言う通り、ミステリーな出来事ですね。
考えられるのは勝手にテレビが点くくらいですが、
そんな事あり得るんでしょうか？
どう思います？きゅん君。
「そうだなあ。リモコンが知らずにテーブルから落ちて、オンのボタンが押されたとかだったら考えられるけど、でもリモコン落ちてないからね」
そうですね。落ちてませんね。
あら、でもよく見るとリモコンが、
テーブル上にもありませんね。
いつもはテーブルの上に置いてあるのですが。
「分かったわ！飼い主がリモコンさんを持って出かけたのよ！カバンさんの中とかに入れて。で、何かの拍子にボタンさんを押しちゃって、それでテレビさんが点いたのよ」
とは、ぐーちゃんの説ですが、
それはいろいろと無理があるのでは？
だいたい、何のために飼い主は、
リモコンを持って行ったんですかね？
仮に持って出たとしても、リモコンの電波って、
外からでも飛ぶんでしょうか？
「飼い主がリモコンさんを持って出たのはスマホさんと間違えたからよ。飼い主はそれくらいのおっちょこちょいはよくやるわ。そうなるとあとは電波さんのお問題だけね。それも簡単さんだわ。お答えは、ぐーのおウチのリモコンさんだもの。それくらいのお根性はお持ちなのよ」
ぐーちゃん、よりによって根性で片付けますか。
って、あら、そういえば、ぐーちゃん、
さっきからダイニングルームの、
テーブルの椅子に座っていますけど、
そこで何をしているんですか？
「え、ええっ？な、何って、べ、別に特に意味さんはないわ。た、たまには、ぐーだって椅子さんに座りたい時もあるのよ」
「分かった！」
と、何か急に動揺している、ぐーちゃんの話を聞いて、
きゅん君が大声で叫びました。
「ぐー、その椅子からちょっと立ってみろよ」
「何よ。きゅんたら。それくらいお安いご用よ。立てばいいんでしょ。立てば」
と、ぐーちゃん、そう言いながら立ち上がると、
おや、そこにあるではありませんか。
例のリモコンが椅子の上に。
さっきからずっと、ぐーちゃん、
リモコンの上に座っていたんですね。
「その通り。テレビを点けた犯人、いや、犯犬は、ぐーだ。ぐーがリモコンの上に座ってボタンが押されたからテレビが点いたんだ。では何故、リモコンが椅子の上にあったかというと、ぐーは誰もいないことをいい事にテーブルの上にあるオヤツを漁っていて、それでリモコンが何かの拍子に落ちたんだ。これがこのミステリーの真相であーる」
と、最後はカッコよく名探偵ぶりを発揮して、
一件落着させた、きゅん君ですが、
実は、きゅん君がダイニングルームに来た理由も、
ぐーちゃんと同じで、テーブルの上の、
オヤツを漁ろうとしたからで、でもこの真相は、
明かされることなく、闇に消えたのであったのであーる。