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きもの本棚④『石田節子の着まわしと着付けの鉄則』帯と小物の合わせ方を分析してみた。

本日の内容はエッセイというよりはHOW・TOモノ。前回、自力で選んだと自負している帯の話をしたが、お見立てのその後についても、触れたくなったのだ。

さてさて、買いたい気持ちはあるのに、呉服屋さんのお見立てに立ち往生してしまう私は、お見立てのこれまでを分析してみた。

果たして、お見立てに法則はあるのか? あった…。少しだけど、見つけた。

スタッフさんが最初に薦めてくる帯は、決まって、格子柄。チェックなのだ。必要なのは、和のお稽古事で使える着物と帯。買えるわけがない。

違うことはわかるが、自分が求めている着姿と格子柄の違いを説明できず、お直しや木綿着物でお茶を濁しながらその店に通い続けた。冷たく、硬質な色に対する拒絶反応が薄れてきた頃になって、ようやく、一つめの帯を購入した。

着物のことで何かをすると、すっかり、エネルギー負けして、歯痛か腰痛になってしまう私はその日も帯を決めるだけで、ぐったり。「帯でなく、コーデを買うのだ」と自分に言い聞かせ、帰りたい気持ちをこらえて、スタッフさんに帯締め・帯揚げまで、選んで貰った。

彼女が最初に薦めてくる帯締めは、決まって、グリーン系。ぼんやり眺めていると、ベージュ系の帯締めに落ち着いた。同じトーンの若草色が、ひかえめに組み合わせてある。ベージュは着物にも、帯にも、使っていない色だ。

はは〜ん、あれね、と思った。

着物雑誌『七緒』の帯締め特集によると、帯締めに繋がりのない色を選ぶ場合は、単色の帯締めよりも、少なめの多色使いの方が悪目立ちしないそうだ。少なめ多色使い(それと、中間色ね)の帯締めは、柄の細かい帯よりも無地っぽい帯、そして、江戸小紋などの遠目で見ると無地に見えるような着物に向いていて、帯締めで中心にポイントが生まれて、ズドンとしなくなる。

もっと、知りたくなって、NHK出版の『石田節子の着まわしと着付けの鉄則』で、合わせ方をチェックしてみた。十年前の本だが、着物十枚、帯七本で作れる一年分のコーデ写真が掲載されている。

夏場も含めたオールシーズンに活躍する茶系の「博多織」の帯を合わせたお着物のうち

着物から、帯締めの色を選んだコーデはフォーマル感の強い「濃い紫の色無地」と「ピンク地の飛び小紋」で

今回のコーデのような、帯や着物に使っていない色で、帯締めをポイントにしているのは「藤紫の江戸小紋」「紺の小千谷縮」「サーモンピンクの紬」「ベージュのぜんまい紬」だった。

着物と帯締めの色を同系色にしたり、はたまた、ポイント使いにしたりと汎用性があるのは「ベージュの塩沢お召し」で、同色の柄が織ってある。

以上は博多織の帯の例だが、いわゆる「西陣」の袋帯や、八寸なのにお高い「綴れ(つづれ)」でくくると、合わせる帯揚げの色も変わってくるが、この本ではお出かけ先も設定されていて、フォーマル感を出したい場面は、同色系の濃淡で合わせてあった。

なんだか、着物や帯の種類を覚える日になってしまった。肝心のコーデの法則は何度、書き出してみても、着ないことには覚えられない。お見立てに頼りつつ、失敗しながら、覚えよう。

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