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ありがとうE4系

2021年10月1日を以て、E4系という新幹線車両が定期運行から引退する。今日はせっかくなので、E4との思い出を少し綴っておこうと思う。

あまり公言はしていないが、実は鉄道が好きである。今でこそマニアックな話はできないし、おそらくついていくこともできないが、中学生の頃はかなり専門的な知識を持っていた。

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さてさて、ここまで詳しく触れてこなかったが、E4系とは、オール二階建て車両であり、とても珍しい新幹線として注目され続けた。二階建てになった理由としては大量輸送を可能にするためである。

しかし近年鉄道運行システムの向上や、高速運転が可能な新幹線の誕生などで二階建て新幹線の需要は次第に減り始めていたのが事実であった。

僕の中のE4系のイメージは、やはり上越新幹線「MAXとき」である。当時は青と黄色のラインが引かれた車体であったと記憶している。(近年は黄色から朱鷺ピンクに変更されている)

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僕の地元石川県の金沢という街は北陸新幹線によって東京とすごく近くなったように感じる。2時間半、乗り換えなし。それで移動できてしまう時代になった。

北陸新幹線がやってくるまで、東京に出るには新幹線のある駅まで特急電車に乗って行かなければならなかった。その中でも僕が家族と旅行で使ったのが、上越新幹線ルートであった。乗り換え駅は越後湯沢駅。

行く季節柄なのか、新潟県越後湯沢駅はいつも寒く、それであっても特急と新幹線の乗り換え時間はとんでもなく短く、せかせかと駅の中を歩き、そのせいでややあったかく感じていたように思い出す。

越後湯沢駅のホームに流れ込んでくるのは、普段見慣れない新幹線というもの。そして二階建ての大きく迫力のある車両であった。それこそがE4系MAXである。

車内は二階建てにしてることもあって、天井はやや低く、座席の間隔も今の新幹線から見ればかなり狭かったように思う。まだ小学生だった僕は何不自由なく、2階からの眺め、東京へ向かう人々の声、新幹線のややうるさいモーター音、それらはこれから東京へ行くのだ!というワクワク感を僕に強く感じさせてくれたように思う。

そんなMAXに乗ってしまえば東京まではあっという間の旅路であったが、今でも忘れられない楽しい記憶である。

北陸新幹線ができて以来、めっきり乗る機会は無くなってしまったが、ホームでE4系を見かけるとどこか懐かしい気持ちにもさせてくれた。

だんだん僕の思い出の車両や列車が少なくなってきている。E4系もまだまだ引退しない車両だと思っていた。ただ時代は進んでいる。少し寂しいが、今は未来を向いて、感謝の気持ちでE4系を見送りたいと思う。

中学生の頃の僕ならラストランを見に行きそうなものだが、今はもうさすがにそこまではしないつもりだ。それでも思い出の車両なので、事前に撮影はしてきた。敬意を込めて。

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そんなこんなで思い出を語っているうちに僕も次の予定がやってきた。時間は進んでいる。少しずつでも、僕も進んでいこうと思う。

ありがとうMAX。たくさんの思い出を乗せてくれて。


最後に撮影した一部をご覧いただきたいと思う。

                                                   Photo by Tenyuu

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