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対戦

先端で書けば書くほど、自分が進む糧として使いやすい。
ドゥルーズのやり方は1人で進む際有用だろう。しかし真似する場合分かりづらさと扱いにくさを生産する結果に至った。そしてどれだけ人を理解できるかというゲームに向かっていく。有用さの中に含まれた毒に気付かぬまま使うしかないのか。その後俺がしなくてはならない事は毒を転じて栄養にして、素晴らしいところをそのまま使って伸びていく事だ。
作成する者から、使う者へ
そしてたまたま新しいものが生まれたら"作成した"と呼ばれる。
生命として生きるのではなく、生命を使う。
例えば
デートだ。失敗する訳にはいかない。何故ならとんでもなく好きだからだ。正直理由は無い。しかしデートから1時間、そろそろご飯に誘うべきか。しかし、お腹がいっぱいだったらどうするんだ。まて俺、焦るな。相手も人間だ。ご飯を食べてけっこーたったらお腹が空くはずだ。ここはさりげなく聞くか!
「今日の昼ごはんなんだったー?」
「あたし、最近断食してんだよね。」

今回の例では振られてしまったが生命を仮定にして我々がアプローチを取る事は少なくない。念頭に置くならこのような考え方が良いだろう。そして彼が次考えなくてはならないのは、自分があんまり好きじゃない人に抱く感覚を、もしかしたらデートの相手は抱いているのかもしれないという事だ。

少し進もう。
今回は例から入る。

この前のデートはクソみたいな結果だった。俺はやけになって格ゲーを始めた。でも、やってみると案外人を理解するためのパーツがそこかしこに転がっていて面白い。そして、前のデートでの俺はランクで言えばブロンズだった。あれじゃ戦っていてもおもんないだろう。はぁ、でも今の俺があの時の俺と選手交代する事はできない。今俺はただ、格ゲーをやる。
チャリン。
向かいの台に誰かが座った。時刻は10時この人が最後かな。
ケェん。
相手もケン使い。同キャラ対決の濃密さと駆け引きは比べ物にならない。閉店間際にこれは熱いじゃん。
ズダダダ、ダダダ(ボタンを弾く音)
ケィオォウ
負けた。くっそ、パナしやがって、あんなんで負けたのか俺。
チャリン。
チャリン。
チャリン。、、、、
金が無くなった。何で負けてんのか分かんなかった。俺は意気消沈して、煙草を吸いに行こうと席を立つ。向かいには、この前の女がいた。
「まじで分かりやすいよね。」
俺は、駆け引きをその時覚えた。

ここまで来ると、事態は混迷を極める。しかし、前に進むために頭の中の運動に割くキャパはそれほど多くない。手を動かし、相手の行動に合わせて行動をしなければならないからだ。
プロゲーマーのふ〜どさんがコーチングで言っていた。
「自分はこういう思想でやってるんですけど。」
思想はガチっと決めてしまう。尖らせた方が強いからだ。無論微調整と改革は繰り返す。ゲームに合わせて思想も変える。その他に多様な領域があるからこそ、思想はプレイスタイルを形作る一端でしかないのだろう。
今回彼は少し教科書どうりのプレイから離れ、相手を分析し、それに対して刺さる行動を見つけるという事を学んだ。出来るようになるまで後何回負ければ良いのだろうか、、、、

2年後、、、
それでは対戦!行ってみましょ〜〜!!!
今回の対戦はケン対jp
お互いの対策が光る試合となるでしょう!!!

相手は非常に冷徹なjpと言えるだろう。それに対して俺も対策は全て放出した。相手もこいつはjp戦が出来ると分かったのだろう。
読み合いの時間だ。
相手は安牌な行動が多い。何か、、、刺さるものは。思い出すのは2年前のあの台詞。
「まじで分かりやすいよね。」
俺はここまで多分みんながやる事は全部できるようになってきた。そしてこの対戦中、相手は今まで見たことある事しかしていない。そしてこの差し合いの距離。俺は、相手の技に合わせてパナした。その時気づいた。あの時の女はパナしていたんではなく、俺の技を見てから、、、、、、


さぁ、それでは!試合後のインタビューです。
今回の試合、最後の昇竜拳はパナしか確認、見た限りではどっちとも取れませんでしたが、どっちなんですか?!

「正直どちらでもないです。なんか相手が動くタイミングが若干分かったのとjpがピクついたような気がして。でも打つのは賭けでした。賭けた理由は、多分ここでこれをやるやついないだろって思ったので。でもよく考えたら他でも良かったですね。笑
2年前のゲーセンで戦った人もこんな気持ちだったのかなと少し思います。」

数日後
「初めてじゃない?大会で勝ったの。」
「そうなんよね。なんかあんまり実感ない。」
「まぁ、インタビューであたしのこと出すのはちょっと熱かったね。海外行ってる間に他のやつと寝てたから罪悪感。」
「えええええええええええ、」
俺は泣いた。
「笑笑笑笑。今の詐欺飛びです。」
「うぜぇ。そういう冗談やめろよなぁ。」
安心とうざさが入り混じる。
「でも相手に行動を通すってなんか気もちぃよね。」
それはそうだ。でもまぁ、楽しさはそれだけじゃない。
「一戦いいすか?」

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