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堂林の活躍を確信している

プロ野球のペナントレースがようやくはじまる。コロナで今年は野球は観られないかなと半ば諦めていて、「仕方ないか」ぐらいの気持ちだったのだけれど、選手からしたら1年間、公式戦が行われないというのは大変なこと。すべての調子が狂ってしまうだろう。そう考えると、やはりどうしても開幕してほしかったので、「よかった」と安堵していると同時に、開幕戦というのはやっぱり毎年わくわくするものだ。

僕は広島カープファンで、堂林翔太を入団時からずっと応援している。カープファンのみなさんならご存知だと思うが、堂林はここ数年、結果が全然残せていない。

5年くらい前から、「今年こそは!」「今年こそはやってくれる!」とキャンプやオープン戦時には期待するんだけど、結果がだせず、堂林本人だけでなく、我々、堂林クラスタは辛酸を舐めてきた胸も痛めてきた。

緒方監督体制下では、正直、疑問な起用法があったのは、堂林ファンのみなさんなら頷いていただけるのではないだろうか。

しかし、どんなに数少ないチャンスでも結果を出さなくてはいけないのがプロの世界というのも事実なわけで。まったくチャンスが与えられていなかったわけでもないので、堂林の実力不足だったのだろう。

バッティングでは、ここ数年は毎年フォームの改良を続け、なんとかキッカケをつかもうとしていた。でも100%しっくりこなかったのだろう。

頭が整理できていないまま打席に入り、カンタンに追い込まれ、外角低めか縦の変化球で三振もしくは内野ゴロに終わることがほとんどだった。。素人目にみても、敵の配球は読めたし、「ああ、次、落とされて振るなー」とおもうと本当に三振。。。内容のないバッティングが続いていた。

しかし、しかしだ。今年は明らかに違うのだ。歳下でもある鈴木誠也に教えをこうたことは話題になったが、何かを掴んだようだ。新井さんのアドバイスもかなり大きかったようだ。

どっしりとした重心で構え、右肘の位置も微妙にかわり、余裕をもったスタンスに。スイング時、頭の位置が動いてたのがほぼ無くなっているし、上半身の過剰な捻りも解消されている。フォロースルーもスムーズ。スイングスピードも上がっているのではないだろうか。誠也と新井さんの打撃を融合した打撃フォーム。

そして、打席に入っても自分を信じているのがわかるし、狙い球をしっかり絞れている。自分の読みはこうだけど、もし違う球がきたら仕方ないと割り切れている感じ。冷静に対処している。

↑6月10日練習試合 満塁ホームラン

昨年(2019年)のペナント。怪我もありほとんど結果を残せないまま、シーズン終盤の9月12日対中日戦。サヨナラの場面でチャンスを与えられ、レフトにライナーでサヨナラヒットを放つ。はっきりいって技術で打ったとかそんなレベルでなかったと思う。

もう最後のチャンスくらいの気持ちで打席に入って、なんとかヒットを打った。僕は涙を流した。そして球場にいた多くのファンも涙を流した。堂林はのちに「VTRで振り返ったらファンの人が泣いていた。こんな僕でもまだ応援してくれる人がいるなんて。もう一度やってやろうという気持ちになった」と振り返った。

あのがむしゃらに打ったサヨナラヒットが、堂林を変えたのかもしれない。

そして今シーズン、球団スタッフにこう語った。「今、野球が楽しい」と。僕はそれを聞いて、また涙を流した。そして、今年の堂林の活躍を確信した。明日どうなるかもわからないプロの世界で楽しむことは容易ではないはずだ。ましてや結果を残せず、1軍と2軍行き来する生活では難しい。しかし今、堂林は野球を楽しめている。「楽しい」にまさるエネルギーはない。

乗り越えた壁は、いつか自分を守る盾となる。楽しさを見つけた堂林は、必ずや羽ばたくだろう。がんばれ堂林。どこまでも応援している。


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