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卒業生インタビュー(津曲さん)

1年間お疲れ様でした。1年間を終えてみた感想を、ひと言お願いします。

津曲さん:
自分を褒めたいです(笑)

もともとゼロだったところから、できることが沢山増えたというところで。
魚の丸の状態も知らなかったし、大根の桂剥きとかもやったことなかったし。そんな状態だったのが、最後の卒業制作弁当とか会席料理とかを、お届けしたりコースとして提供できるまで成長できたところが進歩です!

畑を機械で耕すことも初めて

島食の寺子屋に入塾した理由を改めて教えてください。

津曲さん:
生産現場を身近に感じられるところ。
そのまま社会人に進むという道もあったんですけど、ちょっと心残りがあったので、一旦休学してでもやってみたことだったので、入塾して良かったなと思います。

熱心に定置網漁のことについて教わる

もともとそんなに近所付き合いとかあんまりしてこなくて。
お父さんは消防団とか青年団みたいなのに入っていて、お父さんに地域の餅つきとかに誘われていたんですけど、あまり人との付き合いが得意な方ではなくてあまり行ってきたことなくて。

餅つきしながらの交流

そういうの人付き合いのこととかを入塾する前は心配していたんですけど、こっちに来て学校だけじゃなくて地域の人たちとの関わりができるようになったことも良い経験で、これから社会に出る人間として、人との関わり方というのも学べたし。

授業で料理のことをする以外のところでの成長も感じられました。
あと、周りの生徒に社会人を経験している人が多かったので、そこから見習うこともできたので良かったです。

料理面ではどのような変化を感じましたか?

津曲さん:
料理に対して、食べるものは自分の体を作るものっていうことを、こっちに来てからすごく実感して。
自分が食べるものを分かる、ってすごく楽しいなって思いました。
調味料ひとつでも、海士の塩を使ったり、それを作っている生産者の方がいて。

こじょうゆ味噌の現場

こういう風に作っているんだよっていうのを、分かって食べるということを今までの生活でしてきたことがなくて。だから、背景も分かったうえでの料理というものに、もっと興味深くなったし、東京に戻ってからもこの気持ちを続けていきたいなと思いました。

島食の寺子屋を知らない人に説明するとしたら、どう説明する?

津曲さん:
私は「生きてるよ」って実感が過ごせる1年だったよって言えます。

これまでは、一年の記憶があまり鮮明に残らない感じだったんですけど、寺子屋での一年は4月にタラの芽をとったりワカメの作業をしたなとか、けっこう鮮明に覚えているなって思って。

一番最初に行ったワカメの現場

今までの人生はなんだったんだろうなと思うくらいに記憶に残る一年でした(笑)

原木の椎茸担ぎとか、体力のない自分にとっては不安なことだったけど、そこでみんなの協力もありながら無事に作業を全部終えられて達成感があります。

最後に。これから島食の寺子屋に入塾してくる方々にひと言。

津曲さん:
自分のやっている目の前のことが無駄じゃないってことを伝えたいです。
最初の桂剥きとか魚を捌くのも、けっこう続くしひたすら反復だし。でも、それが後々の卒業制作とかにも繋がるし、自分の人生の武器に繋がるので。

包丁の地道な反復練習

家に帰って料理をする時も、姿造りとかを家族に作ったら喜んでくれるし、授業の一部分だけを切り取ったら辛いこととかあると思うんですけど、最後にはそれが繋がってくるというのが私が感じたことです。

自分の人生でこれからも、「これしてなんの意味があるんだろう?」って思うことがあるんだろうと思うんですけど、それも自分の経験として繋がるんだって実感できたのも学びです。

ありがとうございました!

(収録:2024年3月14日 島食の寺子屋校舎前)