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【初級編】営業で絶対おさえる知識

こんにちは、トライステージというダイレクトマーケティングの室長をしております、寺前と申します。また、ビジネスコミュニケーションのコンサルティング&コーチングを事業にしているPEPOLE ON THE MOVEの代表もしています。


この記事について

今月から、初級編として、営業1年目から、また、営業を体系的に学びたい方を対象にまずは「知識」について記載します。

営業の本は、たくさん、良書がありますので、ぜひ「営業で成果を出させる方は、全部買って読んでください。1冊、2冊では圧倒的な成果は出ません。全部読んでください」なのですが、お勧めの良書を特にというものは、何冊かご紹介します。

営業の仕事の定義

はじめに「営業」とは何か、という定義から初めていきます。「WHAT is ●●?」に向きあうのですが、この定義、非常に大切です。

月並みな事例となりますが、「レンガ積みの職人の話」と同様に「その仕事は、何をする仕事なのか?」という定義に対して「レンガを積む仕事」と定義するのか「みんなに愛される街を作る仕事」と定義するかによって、スキルも、マインドも、行動も、変わってくるものです。

よって、営業の定義から初めていくのですが、これもまた幅広いので、いくつかの「定義(区別や仕分け)」をして、その「あいまいな営業」というものの「輪郭」を明らかにしていきます。

一般的によく言われる定義から見てみると・・・

営業とは「販売すること」ではなく。「お客様の課題を解決すること」と多くの記事や「サービスを買っているわけではなく、享受できる便益」を買っているとという主張をよく見受けられます。

例えば、営業マンの方は「スーツ」を買うことがあると思うのですが、あなたは「スーツが欲しくてスーツを買った」わけではない(ということを営業マンが理解しはじめると日常がおもしろくなる)のです。

ここ重要なので、すこし踏み込みますと。

あなたは、スーツを買うことで、スーツそのものではなく「商談の際に、できるビジネスマンと商談相手に思ってもらえるような”信頼感の担保”を買っている」のであったり、「常識人と思われたいといった”ブランディング効果”がほしい」であったり、「スーツを着ることで気持ちがパリッとするいったような”自己肯定感や高揚感”」だったりを、ほしくて、スーツというモノを通じて、そのスーツを購入している、のである。


営業の仕事の定義①

営業は、売込みではなくお客様の課題を解決すること

まとめ


営業の仕事の定義②

その課題は、モノやサービスそのものではなく、
それを買うことで得られる便益を本質的に求めている。

まとめ

私は、この定義、賛成しているのですが、まだ輪郭がぼやけているところがあるので、いくつかの定義を見てみようというものが、本稿の目的です。

営業の領域区分① 法人/個人/有形商材/無形商材


営業の中でも定義や区分があります。ひとことで「営業」といっても、その売る商材や、売る相手によって「難易度」は変わってくる。高価格帯のものが一概に、売りにくいというわけではない。「体感しづらいもの」や「目に見えないもの」を販売する方が、一般的には、難易度が高い。(つまり、多くの場合、有形商材<無形商材のほうが難易度が高い)

この記事では主に「法人×無形商材」の難易度が高いと言われている領域にしぼって、その営業手法を公開してまいります。

営業の領域のセグメント

とくに、「広告業界」「IT業界」「SaaS業界」にしぼって、営業手法の実践と改善を日々、行っている立場としては、競合企業が多く参入してきたり、そのメソッドが確立していないため、無形商材×法人営業の切り口の難易度は、年々上がっているように感じます。

本質的には「モノやサービスを媒介にした、価値交換」が行われているのですが、その中で「営業」とは何か?という問いかけに向き合うことになりますね。

営業の領域区分② PLGとSLG

PLGとは、Product-Led Growth(プロダクトレッドグロース)の略で、「プロダクトがプロダクトを売る」という事業モデル/成長戦略です。2016年、アメリカのOpenViewというベンチャーキャピタルが提唱した成長戦略だと言われています。(代表例ZoomやSlack)

SLGとは、Sales-Led Growth(セールスレッドグロース)の略で、「セールスがプロダクトを売る」という事業モデル/成長戦略です。

いわゆる従来型のセールス手法で、営業担当者がプロダクトの強みを紹介し、企業ごとにカスタマイズを加えながら意思決定者にプレゼンテーションを行い導入決定に至る、という営業プロセスをたどります。

トップダウンの意思決定に適したセールス手法であり、意思決定者の導入決定の後にデモを使うことができます。したがって、現場担当者が事前にプロダクトの良さを実感することはできません。

参考:PLG・SLGとは?- 0からわかるカスタマーサクセス用語集 | commmune(コミューン)|コミュニティサクセスプラットフォーム

営業の領域区分③ マーケティングと営業


ここまで書いてきて、では、切り口を変えて「マーケティング」の定義を見ていこうと思う。

1950年台に「マーケティング」という概念が、アメリカから日本に入ってきた際に、当時の実業家に対してマーケティングを説明しても「いや、それ、”営業”と何が違うの?」という問いかけに対して、生まれた区別が「営業は売ることで、マーケティングは売れる仕組みつくりである」と区別したようです。


The aim of marketing is to know and understand the costomer so well the product or service fits him and sells itself.
マーケティングの目的は、顧客を知り、理解し、製品とサービスを顧客にあわせて、おのずから売れるようにすることである。

ピーター・ドラッカー


つまり、お客様の課題を解決するという、類似の目的の概念が「マーケティング」ですね。

本稿ではマーケティングに関して詳しく書くことは回避するのですが、「営業」の解像度を高めるうえで、「お客様の課題を解決する」という目的は同じで、なぜ「営業」と「マーケティング」が違う職能のように語られて、また、時に反発しているように思うのかを解説に挑戦する。

営業は「売る」ことで、マーケティングは「売れる仕組み」は本当か?

日本マーケティング協会が、定義している「マーケティング」の定義が以下となります。

マーケティングとは、企業および他の組織1)がグローバルな視野2)に立ち、顧客3)との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動4)である。

1)教育・医療・行政などの機関、団体などを含む。
2)国内外の社会、文化、自然環境の重視。
3)一般消費者、取引先、関係する機関・個人、および地域住民を含む。
4)組織の内外に向けて統合・調整されたリサーチ・製品・価格・プロモーション・流通、および顧客・環境関係などに係わる諸活動をいう。

日本マーケティング協会 1990年

これ「マーケティング」の言葉を「営業」に置き換えると、似ているところと、異なるところが浮き彫りになってきます。

置き換えてみましょう。

営業とは、企業および他の組織1)がグローバルな視野2)に立ち、顧客3)との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動4)である。

1)教育・医療・行政などの機関、団体などを含む。
2)国内外の社会、文化、自然環境の重視。
3)一般消費者、取引先、関係する機関・個人、および地域住民を含む。
4)組織の内外に向けて統合・調整されたリサーチ・製品・価格・プロモーション・流通、および顧客・環境関係などに係わる諸活動をいう。

言葉を置き換えた定義

こうすると「営業とは、企業および他の組織1)がグローバルな視野2)に立ち、顧客3)との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動4)である。」の1、2は、違和感がないのですが、3と4に違和感が生じてきます。

3、営業は、対顧客に対して直接・間接的な相互理解を得ていくことが多く、関係する機関や地域住民などは多くの場合含まれない。とすると、ステークホルダーは、マーケティングよりも狭く(個別、個社ごとにアレンジされた、個社単位での課題解決を志向しているということが、マーケティングの定義と大きく乖離がある点の1つとなります)

4、営業は、対顧客にかかわる諸活動をメインとして、リサーチ、製品、価格、プロモーション、流通に対して「影響をあたえる活動」ではなく、与件として受理されることが多い。そのため、影響範囲内は、顧客の与件(リサーチ、価格、プロモーション、流通)を前提にした、それ以外の諸活動のすべてと言える。(ただし、広告営業、マーケティング商材においては、プロモーションや価格、流通への提案があるため、その与件に踏み込んだ提案を行う必要がある)

営業の領域区分④ 新規営業、ルート営業/インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセス


そして、最後になりますが、より具体的な「職務」での区分。

まず、新規営業 VS 既存営業(ルート営業)で分けられます。

新規営業は、接点が0のところから、取引を始めるための営業活動全般を担当する職務です。多くの場合、その自由度の高さから、難易度が最も高いと想定されています。

既存営業は、顧客開拓スキルよりも、関係構築スキルや納品力、サービス提供品質などがあげられる。自動車で例えると、TOYOTAが車を作り販売網を引く(各販売店に対しての既存営業)で、各販売店が一般の方へ販売する(新規営業となる)と考えると、わかりやすいかもしれない。

そして、SaaSに多い考え方の、営業の職能を縦割りに「アポイントを取得を目的としたインサイドセールス」「商談から成約までを目的としたフィールドセールス」「受注後から顧客の成功までを目的としたカスタマーサクセス」ですが、上記と比べると「以前は、営業ひとり、営業部がすべて担当していたものを役割毎に縦割り化して、仕組化、効率化」を意図したものとなっている。

このTHE MODELに基づいた営業組織設計の詳細は、専門的な本や記事がたくさん出ているので、割愛させていただきますが、本稿では、フィールドセールス、カスタマーサクセスに従事している方には大いに参考になる記事となりえるので、ぜひご一読いただきたい。

別途、反響営業や代理店定業という定義もあるが、上記に内包されるため取り扱わない。

営業の知識の前提: 認知➡判断➡実行


さて、ここまで見てきて営業の定義と、その知識とは何か?そして、なぜ知識を得るだけで、成果が出ないのか?という構造を説明する。

営業の定義
個々の企業ごとの個別性を理解し、その目標や課題や文化に対して、課題を解決し続けるために行う、ヒトを介在とした主体的な活動のこと。

さて、レンガ積みはレンガを積んでいるのではなく、街づくりとし、営業も「販売(セールスパーソン)」ではなく、上記の定義としたときに、必然的に必要なスキルやマインドも明らかになってくる。

そのスキルやマインドを一覧でまとめていく。

営業の知識①スキルセットという側面

営業の知識②マインドという側面

営業の知識③マネジメントという側面

営業の知識④バーバル、ノンバーバル領域

営業の知識⑤ビジネス理解の側面


 知っているが出来ないのは、判断、および、実行面において、差が大きく出るものであるからである。売れている営業マンと同じような判断や、実行が出来ないので、知識だけあってもうまくいかない、のである。

この「判断力」と「実行力」をどう高めていくのか、一朝一夕にはいかないのが、ここの領域になるのですが、まずは「認知」知ることがファーストステップとなるため、「この領域」では、取り扱うべきスキルセットや技術に関して記載していきます。

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