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映画独り言。(フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊)

今日も実は撮影日だった。先日の撮影場所と同じなので、やはり撮影は延期。
予定を組み直す気力もなく、どうしようかと迷ったけど、ウェス・アンダーソンの映画を観に行く事にした。

私はたいして映画に詳しいわけでもない。
ウェス・アンダーソンを知ったのはまちおこし映画の撮影がきっかけ。

台詞で、ウェス・アンダーソンの「ムーンライズ・キングダム」が出てくる。それだけでなく、その映画の面白さを物凄く詳しく話すシーンがあった。

それを聞いて、面白そうだな~と思って「グランド・ブダペスト・ホテル」を観た。
もう、映像の面白さに釘付けだった。
それぐらいの薄っぺらな知識だったが、先日「名付けようのない踊り」を観に行った伏見ミリオン座の溢れんばかりの愛のあるディスプレイを観てとても観たくなった。

お手洗いに行くまでの通路にはウェス・アンダーソンの過去作品について掲示してあったり、オリジナルドリンクをオーダーすると「フレンチ・ディスパッチ」のポストカードがもらえるのだ。(回し者ではありません)

近くのシネコンでも観られるので、名古屋までは行かなかったが、シネコンにはポスターすら貼っていなくて少し寂しかった。。。

映画が始まると冒頭から「わお~」と言いたくなる。
なんというか、観ていて楽しいのだ。
カメラワーク、シンメトリー、人物の配置、色彩、巨大セット等々

なんといっても美術の美しさ。
巨大フレスコ画が美しい。
それ以外にも本当に美しいものが沢山出てくるが、とにかく映像の中の情報量が多過ぎて脳が追い付かない。

わ~今のどうやって撮ったのかな?とか考えてるうちに、ドンドン話が進んでいき何度も迷子になる。。。
日本語字幕も読まなければわからないので、あっちこっち見なければならず、目も脳もいっぱいいっぱいになる。

中盤ぐらいで脳の疲労がマックス。睡魔に襲われそうになった瞬間

「バン」

と大きな音にビックリして覚醒。
どうやら、近くに座っていた夫婦が睡魔に襲われ、手に持っていたポップコーンを落として撒き散らしていた。

いかんいかん。せっかく観に来たのでしっかり観よう。

映画に集中するも、「あれ、なんでこんなとこにパンが?」
一瞬にして気が散って迷子。そんな事の繰り返しだった。

構成は、雑誌を見ていくような感じがとても面白くてすごい見せ方だなあ・・・(としか言い表しようがない・・・)

綿密に計算されつくしたカメラワークに巨大な仕掛けのセット。もう、ストーリーそっちのけで自分がカメラマンや美術さんみたいな気分になって楽しかった。
何回でも観る楽しみが作れるって凄い。

パリが舞台なのもあって、ちょうど一年前に美術館でみた「ロートレックとその時代」を思い出した。その展覧会は、まるでパリに旅行に来た気分になった。

ロートレックはリトグラフなどで制作する画家で、ムーラン・ルージュのポスターなどで良く知られている。この映画はその色彩を参考にしたのか独自スタイルなのかはわからないが、映画全体の色彩が美しかった。

そしてエンドロールまでしっかりと楽しませてくれた。

楽しかったけど、脳から湯気出そうだったなあ。

レビューでもなんでもない、長い長い独り言。

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