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映画独り言。(1%の風景@あいち国際女性映画祭2023)

今日からはじまったあいち国際女性映画祭2023。ありがたいことに招待券をいただき、とても気になっていた「1%の風景」を鑑賞した。

1%の風景とは
99%のお産が医療施設で行われている日本で助産所や自宅出産という1%の選択をした女性と、彼女たちをサポートする助産師の日々を見つめたドキュメンタリー

公式サイトより

私自身、出産はかなり前の話になるが、当時は出産=産婦人科。選択肢としては、個人の産婦人科か、総合病院かの選択しか知らなかった。
出産の経験はあるものの、助産院でのお産がどんなものか知らなかったのでとても新鮮に感じられた。

私もドキュメントを撮影する機会はあるけれど、信頼関係がないとなかなか撮れない。監督の努力がうかがえる。
観客は、若い女性から年配の方、男性などさまざまだった。

お産のシーンは一緒に呼吸を整えたり、力を入れてみたり。とてもとても懐かしい気持ちで観ていた。
助産院で出されるご飯の美味しそうなこと。。。羨ましい。
笑ったり、泣きそうになったり、とにかく感情が揺さぶられる。
赤ちゃんが産まれる瞬間は本当に神秘的で感動だった。

医療施設を選択しなかった女性たちと助産師との関係性もとても良かった。産後のケアもとても充実している。産後はとにかくメンタルが落ちることが多いので寄り添ってくれる人の存在は本当にありがたい。

上映後、観客とのトークセッションがあった。現役の助産師さんが観にこられていてとても真剣に意見を述べられる。この映画で助産院でのお産の選択が広まればいいなと強く思った。

そのあとに質問された方は、お産の良いところばかりが少し気になったと話された。映画の感想は人それぞれである。
出産経験のない方の感想も純粋でとっても素敵だった。

とても素敵な映画だが、少しだけ闇を感じる部分はあった。
ラストのお産で、産まれた直後に映った女の子、一瞬でダウン症だとわかった。私自身、二人子供がいて一人目が知的障がいを持っているので、ダウン症の方との交流はこれまでに沢山あった。
この後、撮影で追ってくれるのだろうか?幸せそうなシーンだけなのだろうか?そんな思いが脳裏をよぎる。

しかしその後も幸せな家族の様子がおさめられていた。名前をどうしようか悩んだ、今後いくつも試練があるだろうからと話したパパさんの笑顔が素敵すぎる。私自身、子供の障がいや病気を受け入れるのにとても時間がかかってしまったので、このパパさんの受け入れの早さと幸せそうな笑顔に、我慢していた涙腺は崩壊した。

その後も少しだけしか映画では触れていなかったが、COVID-19によって不妊治療が休止されたという事。
私は全身に鳥肌というか、恐怖がかけめぐった。
不妊治療は一刻の猶予なんてない。刻々とリミットが迫る中、死にもの狂いで治療をされている方もみえるのに、延期が望ましいと言われていたことが衝撃的だった。。。

幸せ沢山の映画の中にも、さまざまな問題が映画には込められている。
愛知県ではシネマスコーレで上映が予定されている。
出産経験あるなし、男性女性、全く関係なくおすすめしたい良い映画でした。

吉田夕日監督



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