見出し画像

撮影こぼれ話。(音楽とATLUSと私)

2016年。映画や映像作品の制作で充実していた年だった。
翌年も楽しい予定が盛りだくさん。
しかし年末、無理がたたったのか、目がぐるぐる回りはじめ気付いたら救急車の中にいた。

自分の名前わかりますか?!

救急隊員のお兄さんが優しく丁寧に問いかけてくれたにも関わらず上手く答えられなかった。

目が覚めるとベッドの上。MRIなど片っ端から検査をしてもらったが特に異常は見つからなかった。
手足に力が入らず立ち上がる事が出来なくて悔しくて仕方なかった。

こんな作品を作るんだと意気込んでいたのに、動けない。そのため、数日間横になりながら頭の中で半分泣きながら映像を組み立てていた。

やっぱりこの音楽を使いたい。

自分の中の「善と悪」が対峙する映像を制作したい。目黒将司さんの音楽がぴったりだと思った。

目黒さんの音楽はJASRACに登録がない。CDに書いてある著作権の管理会社は倒産していた。
そのため、ゲーム会社ATLUSに連絡をすることに。しかし電話番号もメールアドレスも公開されていない。公開されているのは住所のみ。

諦めるしかないのか?!

いや、諦める前に手紙を書いてみよう。
自分がこういう映像作品を作りたいという熱い思いと連絡先を書いてポストに投函した。ポストの横には大きな「つらら」があった。

正月休みが終わる頃には体調も回復し、普通に仕事をしていた。仕事帰り、一本の電話が。

「もしもし?てらまきさんのお電話ですか?」

東京03から電話なんて、何か怖い。恐る恐るどちら様か訪ねると

「株式会社アトラスです」

あ、どうもいつもお世話になっておりますぅぅえぇ?!

なんと手紙を読んで楽曲使用を快諾してくださったのだ。もちろん、申請書や使用目的など沢山の書類の提出、いろんな制限はあったが、かなり寛大な対応だった。
この映像作品についてはまた改めて書くとする。
完成後、アトラス様に作品DVDと感謝の手紙を送り、映像作品はグループ展にて公開された。
改めて沢山の方に協力していただき感謝。

映像作品は音、音楽は自分の中ではかなり重要で、自分の納得のいく音楽を探すのは至難の業である。自分で作曲出来たらなあといつも思う。

※画像は2017年作品「うさぎのらん」より

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?