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旅の組み立て方|9年越しの再訪『フィンランド』へ一人旅

大学生の時に、友達とフィンランドに行ったことがある。約9日間でノルウェーやデンマークも巡る、慌ただしい旅行だったが、1日だけヘルシンキで自由時間があった。

かもめ食堂に行きたい!

『かもめ食堂』は、大好きな映画だ。ロケ地になったレストランがヘルシンキにある。どうしても、そのレストランに行きたかったので、友達と連れ立ってお店まで行ったが、なんと定休日だった。友達には平謝りし、相当なショックを受けたが、再訪を心に誓った。

9年後の2019年、私はフィンランドへ一人旅をすることにした。

いつ行こう?

フィンランドに行くなら、寒い冬よりも過ごしやすい季節がいい。

  1. 気候も良く、フィンランドのベストシーズンとされる6〜8月のうち、8月は日本のお盆・夏休みシーズンで、航空券の価格が上がる

  2. 会社の夏休みは、7〜9月の間で好きなタイミングで取得できる

  3. インターネットで調べていると、「バケーションシーズンの7月は、他の時期に比べてフィンランドのホテルが安い」という情報を得た

これらの情報を組み合わせて、旅の日程を7月に決めた。パックツアーではなく、個人手配で自由度の高い旅行にしよう。

航空券を買う

3時間以内の近距離ならLCCでもいいが、今回はフライト時間も長いので、ある程度快適に過ごしたい。Airline Trust Index(航空会社の信頼度ランキング)を参照して、なるべく信頼度が高い航空会社を選ぼう。直行便があれば、なおのこと良い。

パソコンとにらめっこしながら、信頼度の高い航空会社(JAL・フィンエアー)かつ、直行便のフライトをJALの公式サイトから予約した。JALカードを持っていて、マイルも貯まるので一石二鳥だ。

往路
7月11日(木) 09:50 成田空港発 13:50 ヘルシンキ空港着(JL6809 運航会社 フィンエアー)※フライト時間は、約10時間

朝に成田を出発して、ヘルシンキに到着するのはお昼過ぎ。深夜に到着すると、空港からの移動手段がなくて困ってしまうが、13:50到着なら心配無用だ。ホテルにチェックインして、到着日の夕方には、街に繰り出すこともできる。

復路
7月18日(木) 16:45 ヘルシンキ空港発 08:15 福岡空港着(JL6806 運航会社 フィンエアー)
7月19日(金) 10:10 福岡空港発 12:10 成田空港着(JL6044 運航会社 Jetstar Japan)

帰りは、スケジュールの都合上、直行便ではなく、福岡空港での乗り継ぎをすることにした。日本での乗り継ぎなので、海外での乗り継ぎよりも気が楽だ。
往復の運賃は、合計100,490 円(税込・燃油サーチャージ込)になった。

少し長い日程だが、合間にテレワークをすれば、仕事は何とかなりそうだ。
日本とフィンランドの時差は−7時間。フィンランドで朝6時から仕事をスタートすると、日本では13時ということになる。4時間仕事をして、ホテルを10時に出れば、滞在も十分に楽しめる。

ホテル探し

フィンランドは物価が高い。
いくら7月は安い時期とはいえ、日本のような格安のビジネスホテルはないし、かといって相部屋のホステルで長期間滞在するのは避けたい。できるだけ安く、快適な個室のあるホテルを探した。

今回予約したのは『ヘルステン ヘルシンキ パーリアメント』(現在閉業)だ。
7泊で58,762 円、1 泊あたり7,631 円ほどで、物価の高いフィンランドにおいては、比較的リーズナブル。クチコミを見ても、悪くはなさそうだった。
実際、観光客の多いエスプラナディ通り周辺からは少し離れていたが、10分ほど歩くと、ショッピングセンター併設の大きな地下鉄駅・カンピ駅があり、トラム乗り場も近くにあったので、便利は良かった。

ホテルの位置関係

滞在期間中に何しよう?

やりたいことは色々とある。

  • かもめ食堂でご飯を食べる

  • マリメッコのアウトレットに行く

  • フィンランドの隣国エストニアへ行く

  • 美術館を巡る

  • 代表的な観光スポットを巡る

  • 北欧雑貨をたくさん見る(買う)

  • 料理教室に参加する

まず、この中から日程候補が少ないものから予定を決めていくことにした。

料理教室を予約

以前、ベトナムでベトナム料理レッスンに参加したことがある。知らない料理や食材、調理法を現地の人に教えてもらったのが、とても面白かった。だから、今回も料理レッスンに参加することにした。
日本語での料理レッスンは多くないが、英語のレッスンはいくつか見つかった。値段や、クチコミなどをみながら、Airbnbで『Finnish cooking class in ♡ of Helsinki』というレッスンを予約した。7月13日11:00〜14:00の3時間のレッスンで、日本円で6,948円(材料費込み)は、ヘルシンキの物価を考えると、良心的な価格設定に感じた。

モデルルームみたいな素敵なお宅
未体験の甘さのデザートも作った
みんなで作った料理。フィンランドらしいテーブルコーデも可愛い

個人のお宅にお邪魔するタイプの料理レッスンは初めてだったが、親切な女性の方が対応してくれた。一緒にレッスンを受けたのは東南アジアから来た女性たちで、ワイワイ楽しく料理をした。

エストニアへの小旅行

当時の上司がエストニアに行ったという話をしていたことと、テレビでIT先進国として紹介されていたことで、職業柄とても気になっていた。
調べてみるとフィンランドからフェリーで2時間ほどで行けるという。しかも、このフェリーは日本で言うところの豪華客船のような大きな船で、船内にはレストランやショップ、ゲームセンターなどがあるらしい。
船に乗ってる間も楽しそうだし、これはいい経験になりそうだと、エストニアへ行くことを決めた。

片道2時間かけてトンボ帰りもせわしいなと思い、タリンに1泊することにした。ヘルシンキのホテルを一泊無駄にすることにはなるが、大荷物を持って移動するのは嫌だったので、一泊分は諦めることにした。

料理教室を8日間の滞在の3日目・金曜日に設定したので、タリンに宿泊するとなると、4日目〜5日目の日・月もしくは5日目〜6日目の月・火のどちらかにしたい。1日目は到着日だし、帰国日前日はお買い物を満喫したいからだ。
ヘルシンキのお店は日曜日休みのところが多いと情報を得た。タリンは観光地だから、日曜日の影響は少なそうと踏み、日曜日をタリンで過ごすことにした。こうして、タリンの小旅行は、4日目〜5日目の日曜日から月曜日にかけて行くことが決まった。

日程が決まったので、フェリーをネット予約した。往復で8,682円は、意外とリーズナブルだなと思った。

  • 行き(日曜日):ヘルシンキ10:30発 タリン12:30着

  • 帰り(月曜日):タリン16:30発 ヘルシンキ18:30着

ヘルシンキとタリンを結ぶダイレクトフェリーの公式サイトは日本語にも対応している。メールで届いたチケットも日本語表記で、搭乗手続きの案内も書いてあり、英語が苦手でも安心だ。

チケットはメールで届く

一泊するにあたり、agodaから予約したのは『旅の家 タリンズ トラベラーズ ハウス(Tabinoya - Tallinn's Travellers House)』だ。一泊ぐらいなら、ホステルの相部屋でも気にならない。
クチコミを確認したところ、日本人が経営されているという情報があり、何だか少し安心感もあった。朝食付きで1泊20€(日本円で2,600円前後)と、リーズナブルなのも嬉しい。

タリンでの滞在中のスケジュールは特に決めていなかったが、カフェやレストラン、美術館など、気になるスポットはGoogleマップで☆印をつけておいた。

ここまで決まったこと

  • 1日目(木)到着日。午後は街を散策して夕食を調達

  • 2日目(金)未定

  • 3日目(土)11時から料理教室に参加

  • 4日目(日)お昼頃にタリンに到着し、夜まで観光

  • 5日目(月)ショッピングと観光をして、へルシンキに戻るのは夜

  • 6日目(火)キアズマ美術館に行く ※朝はテレワーク

  • 7日目(水)未定 ※朝はテレワーク

  • 8日目(木)帰国日

かもめ食堂を予約する

前回の失敗があったので、今回は絶対に予約してから行こうと決めていた。3日目は、料理教室でお腹いっぱいになるかもしれないから、行くなら2日目か7日目だったが、真っ先に行きたい気持ちだったので、2日目に行くことにした。
ドキドキしながら、公式ホームページに記載のメールアドレス宛に、片言の英語でメールを送った。

Hello, I'm ●●●
I want to reserve, is it possible?
If it is OK, so Today(12/7/2019) 7 pm I want to reserve. (1 person)
Would you notice me, in any case?
Regard

実際に送ったメール

Google翻訳に頼り切りのメールでも無事に意図は通じたようで、しばらくすると予約OKの返事が来た。

Hello ●●●,
We’re glad to have you at our Kamome today :) Your table is already reserved at 7 pm.
Best Regards,
○○○
KAMOME Restaurant Manager

メールの返事

そうそう、マリメッコ本社にあるアウトレットへ行くことも忘れてはいけない。

マリメッコのアウトレットへ行く

マリメッコのヘルットニエミアウトレットは、ヘルシンキ市街から離れた場所にある。ホテルからは電車に乗って30〜40分程度だ。
事前予約などは不要だが、午後は観光ツアーのお客さんが増えるとか、併設の食堂もランチタイムは混むとかいう情報を目にしたので、お昼前の到着を目指すことにした。

マリメッコが大好きなので、この旅行で爆買いするのは目に見えていた。
市内のショップで買い物をしてからアウトレットに行くよりは、先にアウトレットで目ぼしいものを買っておいた方が、失敗しない気がしたので、アウトレットには、旅の前半では行っておきたい。
そうなると、2日目がちょうどよさそうだ。

ここまで決まったこと

  • 1日目(木)到着日。午後は街を散策して夕食を調達

  • 2日目(金)午前中にマリメッコアウトレットへ。19時にかもめ食堂

  • 3日目(土)11時から料理教室に参加

  • 4日目(日)お昼頃にタリンに到着し、夜まで観光

  • 5日目(月)ショッピングと観光をして、へルシンキに戻るのは夜

  • 6日目(火)キアズマ美術館に行く ※朝はテレワーク

  • 7日目(水)未定 ※朝はテレワーク

  • 8日目(木)帰国日

7日目の予定は特に埋めないことにした。市内を散策してもいいし、フェリーで世界遺産のスオメンリンナ島に行くのもいいなと、いくつかプランの候補を用意した。

事前準備

フィンランドに行く前に、いくつか日本で準備をしておいた。

プリペイドSIM

滞在するホテルにWi-Fiがあることを確認しておいたので、テレワークはホテルのWi-Fiを使えばいい。
となると、モバイルWi-Fiはかさばってしまうので、プリペイドSIMを選択。SIMフリーのAndroidを使用していたので、設定は簡単だった。電話はできないが、LINEを介せば通話できるし、メールもSNSもあるので、不便なことはなかった。

両替

両替は、GPA外貨両替専門店 ONLINE STOREで申し込んで、家で受け取っておいた。フィンランドは、基本クレジットカードが使えるが、現金の手持ちがゼロというのも心もとなかったので、最低限の現金を用意した。

「Whim」の設定

ルート検索、きっぷ購入が1つで済む便利なアプリ「whim」を上司に教えてもらったので、日本でダウンロードし、初期設定、クレジットカードの登録を済ませておいた。SMS認証には電話番号が必要なので、日本国内で設定を済ませておくのが良い。

whimは、電車以外にもバスやトラム、フェリー、タクシーにも対応していて、このアプリがあれば快適にヘルシンキ市内を移動できる。代表的なMaaS(マース:Mobility as a Service)アプリの1つだ。

画面にはチケットの有効時間が表示される

画面できっぷを購入したら、改札を通らずに、そのまま電車に乗車してOK。たまに車内で係の人がきっぷのチェックに来るが、その時は画面を見せれば問題ない。

事前準備もバッチリ整えて、いざフィンランドへ向かった。

旅の10枚

窓が大きくて気持ちのいいホテルだった
買い物も食事も楽しめるカンピ駅
マリメッコ本社の食堂はビュッフェスタイル
キアズマ美術館での一コマ。私もスケッチに参加!
滞在中一番美味しかったサーモンのスープ。カンピ駅のレストランにて
アンティークショップ巡りも楽しかった
タリンへ向かうフェリーの船内。あっという間の2時間だった
タリン市街
タリンで滞在したホステルの共用キッチン
念願のかもめ食堂

9年ぶりのフィンランド、1週間はあっという間に過ぎてしまった。かもめ食堂にも、マリメッコのアウトレットにも行けたし、予定していたことを全てやり切れて大満足だった。
北欧雑貨、食器を買い過ぎてしまい、割れ物ばかりでスーツケースに入れることもできず、さながら筋トレのような気持ちで日本まで持ち帰った。

好きなものが詰まったフィンランド、次は9年も経たずに訪ねたい。

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