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知るは楽しみなり

「知るは楽しみなりと申しまして、知識をたくさん持つことは人生を楽しくしてくれるものでございます。」
クイズ面白ゼミナールの冒頭セリフです。そして、鈴木教授こと鈴木健二アナウンサー(当時)が毎週異なるテーマで授業をしていく番組で、私も日曜日の夜、楽しみに視ておりました。学研マンガにもなっていて、学校の図書室にもありましたね。(マンガにも「スズキ教授」が登場します。)

本当にゼミナールだった。

クイズ面白ゼミナールでは、番組のセットも大学の講義室の様な形をしていて、教授と学生という形がとられていましたが、単なる演出ではありませんでした。
番組のメインとなる「ゼミナールクイズ」では、テーマに合わせて専門の先生を招聘し、講義をする時間が必ず設けられていました。これが「面白ゼミナール」の真骨頂だったと思います。クイズを楽しむだけでなく、より深い知見を得てもらう事が番組の狙いで、一視聴者の私も「学ぶ」事の凄みを、番組を通じて教わりました。

この番組のために鈴木健二氏は膨大な資料を読み込んで綿密な取材を重ねていた、という話を本やテレビ等で見聞きした事がありますが、恐らく「クイズ」だけど報道・教養番組を創る矜持でやっていたのだと思います。
私は「クイズ面白ゼミナール」と「紅白歌合戦」しか知りませんが、鈴木氏は長年報道キャスターとして活躍したジャーナリストでもあります。ですから、報道キャスターが制作するクイズ番組であり紅白歌合戦である、という壮大な実験を先駆けてやっていた、という見方もできるのかなと思います。

面白ゼミナールの放送は1981年4月~1988年3月ですから、当然スマホもインターネットもない時代に作られています。そう思うと、情報の手がかり一つ得るのが相当大変だったはずです。そう考えると、あの手作りのセットは、多くのスタッフの方々が、取材と検証を重ねた膨大な知見の集積と言ってよいと思います。
今は何でもネットで簡単に検索できて、タイパとかコスパとかが幅を利かせていますが、そういう時代だからこそ、面白ゼミナールを放送ライブラリー等で公開していただいて、若い人にも見てほしいと思います。そして、自戒を込めてですが、じっくり考えて、自分で動いて知る事の深みに気づいてほしいと思います。




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