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#1663 冷めるようにほめるのではなく、価値を切り出す

教師は、学級の子どもを全体の前でほめる。

しかし、ほめられる行動をした子どもが一部である場合、それ以外の子どもには「皮肉」となってしまう。

「~な行動をしたあなたは素晴らしい」
「でも、~しなかったあなたはダメだ」
という暗黙のメッセージを送ることになる。

このように、全体に向けてほめ言葉を使うと、それに該当しない子どもには「皮肉」となってしまい、教室が冷めてしまうのである。

では、どうしたらいいか?

それは「子どもたちの姿から価値を切り出す」という方法である。

教師がほめるに値する「適切な行動」には、それ相応の「善い価値」が存在する。

ならば、その「価値」を複数見出し、それを子どもたちに示すのである。

また、「不適切行動」には、それ相応の「悪い価値」が存在する。

ならば、その「価値」も複数見出し、それを示すのである。

そうやって、行動の表と裏にある「価値」を切り出し、ポジティブで善い価値も、ネガティブで悪い価値も、全て子どもたちに提示するのである。

そして、「どの価値を選ぶか」「どの価値を大切にするか」を選択させるのである。

いわば「自己決定の場」を生み出すわけである。

そうやって、「選択肢」を提示してあげれば、子どもは「善い価値」を選ぶはずである。

その「自己決定」に対して、教師はほめてやればよいのである。

教師は表面上の「善さ」や「良さ」を見つけ、それを子どもたちに伝えがちだ。

しかし、「なぜよいのか」を掘り下げ、その価値を語ることは皆無である。

それでは、教室が冷めてしまうのも無理はない。

そうではなく、行動には両面的な価値があることを伝え、それを切り出して提示するのである。

そして、「どの価値を大切にするか」自己決定を促すのである。

ぜひとも、そんな「価値」を語れる教師になっていきたい。

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