#1516 教師の思いと子どもの思いの乖離を埋める
教師には思いがある。
「子どもたちを自立させたい」
「自律的に生きてもらいたい」
こんな思いがある。
なので私は、子どもが質問してきても、
「どうすればいいと思う?」
「あなたはどう思うの?」
と問い返すようにしている。
まさにコーチング的な関わりをしているのだ。
これは、教師に依存させないためである。
子どもたちが教師に依存してしまうと、教師がいないと成り立たないクラスになってしまう。
「自立」「自律」からは遠ざかってしまう。
教師は子どもたちを一年間しか指導できない。
ましてや学校生活が終わったら、教師が指導・支援してやることなどできない。
なので、教師は子どもたちが依存しないよう、適度な距離をとって、コーチング的な関わりをしていく必要があるのだ。
これが教師の思いである。
一方、子どもたちにも思いがある。
「先生に話しかけたい」
「先生に頼りたい」
「先生に助けてもらいたい」
「優しい先生がいい」
このような思いがあるので、教師がコーチング的な関わりをすると、その距離を大幅に感じてしまう。
「先生は優しくない」
「先生は冷たい人だ」
と思ってしまう。
教師は「自立・自律させたい」と思っていたとしても、子どもからは「優しくない」「冷たい」と思われてしまうのだ。
このように、両者の間に乖離ができてしまう。
この乖離を埋めるにはどうしたらよいのか?
それは「教師の思い」を語り続けるということだ。
教師がどんな思いで関わりをしているのか?
問い返す意図は何なのか?
どのような大人になってもらいたいのか?
このような思いを繰り返し語っていくしかないのである。
「優しくないわけではない」
「冷たい態度をとっているわけではない」
このような誤解を解いていく。
そして、実際にコーチング的な関わりをしていくときは、冷たい態度ではなく、共感しながら問い返していく。
こんな姿勢が必要である。
教師の思いと子どもの思いが乖離し、子どもの気持ちが離れていってしまうことは、学級経営にとってマイナスである。
学級経営の土台は「教師と子どもたちの信頼関係」である。
そのためには、両者の思いの乖離を埋めていくしかない。
だからといって、子どもたちに媚びたり、依存させたりするのは間違っている。
そんな方向ではなく、「教師の思いに気づかせる」方向にもっていく。
この姿勢を大切にしていきたい。
では。
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