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米雇用統計予想上振れ、ドル円は米長期金利上昇受け145円台回復。


【12/8相場概況】

東京時間、ドル円は、日銀のマイナス金利解除への思惑を巡って本邦輸出企業から断続的に売りが観測され、本邦長期金利が上昇すると一時142.49円まで下落。その後、本邦長期金利の上昇が一服すると一転してショートカバーが優勢となり、ドル円は144円台を回復。欧州時間、ドル円は、米10年債利回りの上昇を受け買いが先行。NY時間、11月米雇用統計では、前月比でNFP(非農業部門雇用者数変化)・平均時給は予想上振れ・失業率3.7%(予想3.9%)と労働需給の引き締まりを示す良好な内容となると、米国の早期利下げ観測後退とともに、米10年債利回りが上昇し、ドル円は一時145.20円まで上昇。しかし、その後143.75円まで売り込まれるなど神経質な展開の中、145円前後まで買い戻された。

【12/11相場観】

先週末の米雇用統計は予想上振れ。米国の早期利下げ観測後退や米雇用状況の好調によるドル円上昇と日銀のマイナス金利解除によるドル円下落の思惑が交差し神経質ながらも145円前後で落ち着いた。これでFOMC(12/12-13)待ちとなるのだが、金融政策の方針に対する反応は、より難しくなった感じがする。
 
日足一目均衡表では、「三役逆転」点灯中。基準線と転換線の乖離が拡大で逆転(陰転)。地合いは下向きではあるが、12/7の下げで200SMA(単純移動平均線)を下抜け後、大きく反発となり、下値は買われそうな雰囲気である。しかし、12/21-22あたりまで雲が上昇しており、上値が重くなっていることから、余程の買い材料で上昇しない限り、トレンドは下向きとみる。

ドル円の戻り目途をフィボナッチリトレースメントで計測。計測値は、A=今年の高値151.90から12/7の安値141.60とB=12/17の高値147.31から141.60。先週末の高値145.20は、B61.8%(145.12)を突破しA38.2%(145.53)手前。12/7の高値147.31あたりまで反発するかがポイント。調整の下げが一旦終了にみえるが、判断の難しい局面である。

※チャート・表などは筆者作成
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20231211執筆 FXエバンジェリスト遠藤寿保


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