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本当の望みは「わがままリスト」で叶える

「わがまま言うんじゃない」と、親や先生から声をかけられてきた方はすくなくないはずです。

自己中心的、身勝手。
わがままにはどこかマイナスなイメージがつきまといます。

しかし、本当の望みが「わがまま」に宿っているとしたらどうでしょうか。

今回は山岸洋一さんの著書「やりたいことだけやって人生を良くするわがままリスト」をご紹介します。

わがままに抵抗のある方はもちろん、「ウィッシュリストがなかなか埋まらない」「目標や夢という言葉にモヤモヤする」方にこそおすすめの書籍です。


目標や夢って案外難しい

本書を知ったきっかけは、こちらのYouTube動画でした。

著者の山岸さんは『7つの習慣』で知られるフランクリン・コヴィー社の日本法人で長年セールスを担当。
独立後はそのノウハウを活かして組織・個人向けのコンサルティングをされています。

ところでリストというと、「ウィッシュリスト」「やりたいことリスト」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
叶えたいことややりたいことをリスト化するものです。

しかし、目標や夢に向かって努力し続けるのは誰でもできることではありません。
そもそも「やりたいことなんて分からない」人もすくなくないのです。

本書では巷で多く出回っている「目標達成」「夢を叶える」ためのメソッドの落とし穴をこのように紹介しています。

「人間は目標を適切に設定できる」という前提は、セミナーやコンサルティング、コーチングなど、成功ノウハウを提供している人たちからすれば、大変便利なものです。結果を出せないクライアントがいても、自分の意志力の弱さを原因にしてくれるのですから。

本文「人は目標を適切に設定できない」より引用

だいたいの人はそれほど「意志力=設定した目標をやり遂げる力」を持ち合わせていません。
本書では「人間は目標を適切に設定できる」という考え方が前時代のものであり、本来望みを叶えられるはずの力を奪っているとしています。

そこで本書が提唱しているのが、「わがままリスト」です。

わがままリストの作り方

「わがままリスト」は、自分のやりたいことを簡単なリストにし、それに沿っていくつかの作業を行います。

キレイなものでなくていい、カッコつけなくていい、自分の独自性を追求する、今の自分のままで人生は良くなる。そうした意味を、「わがまま」という言葉に持たせています。

本文『さあ、「わがままリスト」を始めよう』より引用

リスト作りとなるとつい意気込んだり、良いことを書こうとしてしまいます。
「わがまま」に込めた著者の意図を知ると、肩肘張らず取り組めるのではないでしょうか。

リストを作るにあたり、以下のガイドが設けられています。

・リラックスして取り組む
・最低1時間は確保する
(その1時間が来週になってしまうなら30分でもいいので今日やる)
・ノートでもスマホでもOK

本文内では「実践するのとしないのとでは、天と地ほどの差がある」と、行動に移すことの大切さを説いています。

ここからは実際の過程を追っていきます。

①「やりたいこと」を100個書く

「わがままリスト」に書き出す「やりたいこと」の条件は一つだけ。それが実現したときのことを考えたら、「嬉しい」「幸せな気分になる」というように、心が喜ぶものであることです。

本文『「やりたいこと」を100個書く』より引用

本書では取るに足らないと感じるようなこと、小さな「やりたいこと」こそ書くよう推奨されています。

また「欲しい」「なりたい」ことやもの、「人には言えないわがまま」、「こんなことを願ったらダメなんじゃないか」と思う不道徳的なことでも書きます。

ちなみに、筆者が実際に書いたリストを一部載せます。

・ハーゲンダッツを食べたい
・沖縄へ家族旅行に行きたい
・時間に追われたくない
・一日中のんびりダラダラしていたい
・昼から酒とつまみを楽しみたい
・休日出勤したくない
・仕事で必要以上に謝りたくない

リストを書き出す段階で、どれだけ正直に、わがままでいられるかで、「わがままリスト」の効果は大きく変わっていきます。

本文「不道徳的なことも書いてしまう」より引用

誰かに見せるために書くものではありません。
リストの中では思う存分わがままになりましょう!

ちなみに、リストは100個に満たなくても構いません。

②「やりたいこと」を仕分けする

一定時間で書けた分を、「今すぐの夢」「いつかの夢」に分けます。

すぐに実現させることが可能な「今すぐの夢」は、リストの先頭に○を付けます。

今すぐには実現できない「いつかの夢」は、その理由をリストの横に書き添えます。
時間・時期・金銭面の都合……自分で分かる簡単な言葉で構いません。

仕分けすると、一見「今すぐの夢」がポンポンと叶っていくように思えます。
しかし、それでもためらってしまうリストがあるかもしれません。
本書は「今すぐの夢」をたくさん抱えて生きている状態を、「夢詰まり」と呼んでいます。

夢詰まりが解消されると、追いかけたい夢が浮き出てくる

夢詰まりは、「夢を叶えられなくなる魔法」を自分にかけている状態です。

多くの人には、未来のために今を犠牲にする生き方が染み込んでしまっています。
(中略)こうして実現可能な夢をそのまま放置して、毎日を過ごすことになります。

本文『夢実現のパワーをダウンさせる「夢詰まり」』より引用

解消するには、「今すぐの夢」をどんどん実現させていきます。
前もってスケジュールに組み込むなど、無理のない範囲で実行。
作業のようにこなさず、たっぷりと楽しむのが秘訣です。

「ヤンヤンつけボー」すら買えなかった体験談

ここで筆者の体験談をお話しさせてください。

私はリストのひとつに、お菓子の「ヤンヤンつけボーが食べたい」と書いたものの、なかなか買えませんでした。

昔食べたきりで、ネットで見かけてふと懐かしくなり気になっていた品です。
近所のスーパーで100円台で売っているのに自分では恥ずかしくて買えなかったのです

これは「夢詰まり」だと確信し、後日ひとりで「ヤンヤンつけボー」を購入。
息子と一緒に、童心に返ってトッピングしながら食べたひとときは自然と笑顔がこぼれました。

それがきっかけになったのか、20個あった「今すぐの夢」はひと月のうちに16個叶えることができました。

一度書いて終わり、ではない

わがままリストは一度書いていっぺんに叶えるためのものではありません。定期的に書き直します。

前回のページをそのまま使って書き換えたり、リストをコピペしたりするのはNGです。同じことであっても、必ず改めて書くようにしてください。
(中略)そうして繰り返していくうちに、「あ、これはもういいや」と思うことが出てきます。同時に、新しい「やりたいこと」も出てきます。だんだんと、自分の心の奥にある「やりたいこと」を、簡単に引き出すことができるようになります。

本文『「わがままリスト」は新月の日に書き直す』より引用

リストはいつ作っても構いませんが、本書では新月の日に書くことを推奨しています。
毎月○日など、分かりやすい周期は気が緩みます。
月の満ち欠けは29日周期。少しイレギュラーに感じるサイクルがおすすめとのこと。
2023年5月の新月は20日です。

おわりに…「わがまま=思いどおり」に望みを叶えよう

「我が儘」の意味を調べると、このような記述が出てきます。

自分の思いどおりに振る舞うこと。また、そのさま。気まま。ほしいまま。自分勝手。

参考:weblio辞書

わがままから望みを叶える。
もはや冒頭のネガティブな印象より、「わがままからやりたいことを叶えるなんて、ワクワクする」といった気持ちのほうが強いのではないでしょうか

もちろん、さまざまな点から思い通りにいかないこともたくさんあります。

本書ではさらに、
・「もうひとりの自分」が仕掛けてくるイタズラ
・夢の実現を邪魔する「不幸の種」

といった内容にもふれています。
「そんな上手くいくかな?」と思われる方の参考になるはずです。

気になる方はぜひご自分で読んでみてください。
小手先でない、著者の確かな論理と良心の詰まった書籍です。

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