見出し画像

スコットランドへ思いを馳せる。

1996年、猫でいえば1歳に満たない年齢だった僕は知らなかった。

なぜか坊主頭にした先輩。
小さめサイズのヒステリックグラマーのTシャツを買った先輩。
ある日からピースサインが裏向きになった先輩。
視力2.0のくせにでかめのメガネかけだした先輩。
よく遊んでくれた2コ上の先輩が「タメ語でいいよ」と突然言い出したのもこの頃だ。
1996年の広島に、何が起きていたのか。

それから数年後、当時の先輩の気持ちを遅ればせながら知ることになる。

「トレインスポッティング」

あの時の先輩はレントンであり、ベグビーであり、シック・ボーイであり、スパッドだったんだ。
そして僕はその仲間として認めてもらえたのだろう。
広島とスコットランドの距離がどれほどだかわからないが、あの映画を観た瞬間に、あの音楽を聴いた瞬間に、誰もが薄曇りの街並みへぶっ飛んでいったんだ。

猫年齢で6歳になろうとしている2021年、僕は20年ぶりにトレインスポッティングを鑑賞し、続けて「T2 トレインスポッティング」を鑑賞しようとしている。

彼らと一緒に成長したとは言い難い僕の20年だけれど、それでもあれから20年。
僕は何を思い、何を感じ、どこへぶっ飛ぶんだろう。

楽しみで仕方ない。

いただいたサポートは楽器関係、創作活動に使います。決してアルコールには使いません。でもアルコールが音楽や文章に必要と判断される場合はその一滴を力に変えます。よろしくお願いします。