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【過去編】カナダでワーホリ② 価値観

トロントは人種のモザイクと呼ばれるほど多文化・多民族が共存している。

オンタリオ州の州都であり、カナダ最大の都市であるトロントに1年間住んで感じた事から"日本の飲み放題とカナダのマリファナ"について綴ってみたいと思う。

カラフルな都市

カナダに到着した翌日から学校が始まった。
といっても初日は説明とテストだけだった。2・3時間で終わったのでさっそくトロントを散策してみた。
学校はBloor-YongeにあったのでYongeストリートをひたすら南下しオンタリオ湖まで出てみた。

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まさかユニクロがあるとは思わなかったし、中々良いポジションに位置している。街のど真ん中。

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トロントタワーだ。

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湖に着いたが、今日は天気がイマイチ。向こうに見えるのがトロントアイランドと呼ばれ、15の島で構成されており船で渡れる。夏に渡ったのでその様子はまたの機会に。

授業は14時頃に終わるので午後は空いている。いつでも散策できると思いカナダ生活2日目はこの辺りにして帰宅することにした。

駅に向かい地下鉄に乗った。
さっきまで気付かなかったというか、街を見ながら歩いていたので、注目していなかったが、色んな人種の人が乗っている。大袈裟かもしれないが地球を感じた。そして、自分もそれを構成する一つなのだと思った。
服装・肌の色・言語がとてもカラフルだ。こんな空間にいた事がないのでとても印象に残っている。

さあ、ここから本題の価値観についてだ。

トロントの厳しい酒類管理

トロントはアルコールの提供が厳しく制限されている。LCBOというオンタリオ州の酒類管理委員会が、ガチガチに管理しているのだ。

日本ではスーパーや酒屋でアルコールが買え、コンビニに行けば24時間いつでも買うことができるが、トロントでは販売される時間や場所も限られている。

トロントではフランチャイズの24時間のコンビニはセブンイレブンぐらいであとは個人が経営している。スーパーよりも小さい街の商店といった感じで、24時間営業ではない。またいずれのコンビニもアルコールの販売はしていない。

大型スーパーでも買えるようになり始めたのは2018頃と最近のことで、小さいスーパーでは販売されていないだろう。

なのでお酒を買おうとなればLCBOの店舗に行くことになる。またその店舗に子供は入ることすら許されない。

さて、トロントのバーや飲食店に行ったとしよう。もちろん場所によるが、330ml瓶ビール一本 $7ぐらいでチップも払ったら$8-9ぐらいになる。2022/01/22 現在のレート$1=¥90.37なので一本¥720~といった感じだ。日本だと¥500ぐらいだが、最低賃金がそれぞれ違うので相対的には同じぐらいだろう。

日本には飲み放題というシステムがある。トロントでは食べ放題は見かけたことがあるが、飲み放題は見たことがない。

飲食店やバーなど、アルコールを提供するポジションに就く人は資格を取得しなければいけない。日本では店舗で資格を取得すれば従業員誰でも提供できるが、カナダではサーバーも資格が必要となる。アルコール飲み放題はそんな観点で恐らく規制されている。サーバーはベロベロに酔っ払った人にアルコールを資格上提供できないし、飲み放題なんてやればとんでもない事になると思う。

だが、そんな中マリファナが解禁された。??????

マリファナ合法化

カナダでは数年前から医療の観点から医者の診断を受け、それを必要と認められた患者には薬局で処方されていた。価値観。

日本では警察が薬物防止キャンペーンで『ダメ、絶対』とうたっているが、かたやカナダでは医者が患者に処方している。

そして自分が訪れた2018年に合法となり、州によって異なる条件を満たせば処方がなくても所有することができるようになり、栽培も可能だ。

つまりトロントで何が起きたかというと、

”アルコール飲み放題がないトロントではマリファナが吸える” だ。

これはとんでもない衝撃だった。

逆に”決まった金額で時間内にアルコールを無制限摂取できる日本”はトロント視点ではクレイジーだろう。

政府は国民がマリファナを購入するために、そういった組織と関わることを防ぎたいし、組織の資金源を断つためや、さらに強いドラッグを摂取するなどゲートウェイドラッグとしての能力を持たせたくなかったのだろう。また政府が管理し税を徴収することができるなら合法化はメリットが大きかったのだと思う。合法以前に薬として処方しているのだから医療面の期待もある。また壮大な社会実験とも言えるかもしれない。本当の意図は分からないが政府はそれを合法とした。

カナダやアメリカの各州、その他の国で合法化する国が増えてきている。グリーンラッシュと呼ばれ、その界隈のビジネスも盛り上がってきている。日本はまだ薬物としての位置付けだが、それが変わる日が来るかもしれない。

この出来事は自分に法律や国、善悪とは何かを考えるきっかけを与えてくれた。

数ヶ月後には冬も終わり、花見の季節がやってくる。コロナは世界のマナーやモラルを変えたと思うが、公園や土手の桜の下でレジャーシートを広げてみんなで美味しいものを食べながら、お酒を酌み交わしワイワイできることを願っている。

ちなみにトロントでは公共の場で蓋の開いたアルコールを所持すると捕まる。紙袋や鞄に入れて見えないようにする必要もある。同じ地球上であるのに、桜の木の下で楽しむそれも、目に見えないそれぞれの境界の中では犯罪行為になってしまうのだから、国や価値観や常識みたいなものは、何ともくだらないような、でもともすごい力を持った不思議なものだなと思う。

面白い世界だね、また次回


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