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自分の頭で考える読書

【読む背景】
私の好きなPodcast番組『超相対性理論』で話す3人のうちの1人荒木さん。
Podcastの中でも、witに富んだ言葉や、学びへの意欲、人間的な懐の深さがでているように思う。
そんな荒木さんだけの世界観にどっぷり浸かってみたいと思ったのが、今回本書を手に取ったきっかけ。

【印象に残った箇所】
64P
渡邊康太郎さんは、本を「演奏を待つ楽譜」と表現されています。
→私が『超相対性理論』を聴いていて最も刺さった言葉の一つ。

151P
<共有図書館>を把握しているということが、書物について語るときの決め手となるのである。
(パリ第八大学教授 精神分析家 ピエール・バイヤールを引用)
→大切だと、常々思っていたことを上手く言葉として表現してもらえた。

152P
教養ある人間は、しかじかの本を読んでいなくても別にかまわない。彼はその本の内容はよく知らないかもしれないが、その位置関係は分かっているからである。つまり、その本が他の諸々の本にたいしてどのような関係にあるかは分かっているのである。
(パリ第八大学教授 精神分析家 ピエール・バイヤールを引用)
→151pの言い換えであるが、これもまた的を得た指摘。

219P
つまり、どれだけ組織的な圧力があったとしても、そこに無批判・思考停止で服従してしまうことは、支持したことと同じ罪になる、ということです。
(ハンナ・アーレント著の『エルサレムのアイヒマン』のアイヒマンの姿勢と同じ姿勢、すなわち「熱狂」10割で読むことの危険性を指摘した、荒木さんの見解。)
→ついつい熱狂10割の本を選び、かつ良い本と考えてしまう傾向が私にはあるが、荒木さん曰く「熱狂」7割、「懐疑」3割ぐらいがベストだという。)

【感想】
さっと読めて、面白くて、立ち止まって考えるところは数箇所あって、荒木さんの世界観を覗ける本。

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