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絶景サイクリング 弟子屈~美幌峠

今回の自転車旅は、森に囲まれた弟子屈町にある宿泊先、美里ゲストハウスさんから美幌峠に向かう約38kmコースのサイクリングだ。スタッフの皆さんに見送られ、早朝、鳥と虫の気持ちの良い声を聴きながら出発した。毎年、7月は高確率で雲海が発生するらしく、屈斜路湖がカルデラ地形になることから夏の雲海発生確率が非常に高いそうだ。トマムの雲海テラスも有名だが、有料のゴンドラに乗らないと見られない。北海道で愛車の自転車で雲海と出会えるのは美幌峠からの屈斜路だ。美幌峠の雲海との遭遇に期待が膨らむのと同時にペダルを踏む足も高揚する。

雲海の美幌峠イメージ


243号線を走っていると、和琴半島に入る交差点が見えてくる。この先、峠までは自販機はなく、飲料水の最終確認をしておきたい。うっかり通り過ぎてしまった場合は、この先にプリンスホテルもあるので、少し割高になるがそこでの購入も出来そうだ。

右手に見える屈斜路湖沿いのパイロット国道を走り、プリンスホテルを過ぎると津別峠と分岐する交差点が出てくる。おすすめのエネルギー補給ポイントだ。ここまで27キロを走破し、かつ、この場所は残りの峠までのコース全長11キロのスタート地点でもあるので、ここで体調確認をしておきたい。分岐点をスタートして4キロ弱は、気持ちのいい平坦からなるアップダウンなので爽快に走ることができる。この平坦区間が終わると、いよいよ本格的なヒルクライムに突入し、ゴールである峠までコーナーが連続していく。大型トラックやバスも多いの、安全優先で、クールにキープレフトを意識していこう。
この区間は屈斜路湖を見ることができず森のワインデイングロードで勾配は5%前後で推移し、5%からそれ以下の勾配が連続する。分岐点から9キロくらい漕ぎ続けると、視界が少しづつ開けてきて、眼下には屈斜路湖を望むことができるようになる。

道は次第に標高が上がっていく。道の駅まであと1キロの表示版を抜けてからは、思わず息を吞むほどの絶景が眼前に広がった。
漕いでいるうちに美幌峠の展望台付近にくると、さらに途方もないスケールの視界が開けてくる。標高493メートルと、隣にある津別峠ほどは高くないが、周囲に樹木がなく、クマザサに囲まれた美幌峠はとにかく景色がいい。

絶景の屈斜路湖イメージ


摩周湖や斜里岳などの知床連峰、雪を抱いた大雪山系の山並み、そして日本最大のカルデラ湖、屈斜路湖を自転車でヒルクライムをしながら一望する体験は、坂バカ冥利に尽きる峠ではないだろうか。
美幌峠にゴールしたあとの展望台からは、天下の絶景との呼び名高い、美幌峠から見える屈斜路湖を堪能しよう。 反対側の美幌町側を眺めてみると緑色の一面に広がるクマザサの大地が広がり、針葉樹が点在する解放感あふれるササ原が目に飛び込んでくる高原の景色だ。

美幌峠より美幌町方面を見渡す イメージ図


以前来た時には、屈斜路湖をバックに雄大なパラグライダーも見ることができたが、今日は風が強いのか雲海もパラグライダーも見ることはできなかった。

雲海の屈斜路湖イメージ


折り返しの休憩地点となる道の駅「ぐるっとパノラマ美幌峠」は、北海道「道の駅」ランキング景観部門で6年連続1位を取るほどの、いつまでも長居したくなる休憩ポイントだ。
レストラン「海空のハル」で食事をとることにし、ここではアイヌの伝統料理である創作料理「オハウ定食」を注文した。
峠といえば、定番の揚げイモだと思い店内を探したところ、8月にオープンした、ホリエモン発案で話題の「小麦の奴隷」を発見した。ここの2階の展望スペースではライブハウスや上映会、屈斜路を眺めながらのヨガ体験等のイベントがあり、これから何度も行きたくなるような道の駅だった。
道の駅でのグルメ、美幌峠の絶景を堪能したら、宿泊先である弟子屈町にUターン。


帰りの峠道は、下りは走っていてとにかく気持ちがいいが、一部アスファルトが剝がれ穴になっているところがあり、タイヤのパンクに注意が必要だ。スピードの出し過ぎにも注意しながら、森を縫うように穏やかな坂を駆け下り、その先に続く直線路を快走し、美里ゲストハウスさんへ戻っていく。
Takashi Mizuguchi