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#010 「いのくまさん」が故郷でつくりあげた、心が元気になる美術館

2023.6.1
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館@香川県丸亀市


JR予讃線・丸亀駅の目の前、ひときわ個性的な建物が目に留まる。丸亀市猪熊弦一郎現代美術館

丸亀市にゆかりのある画家・猪熊弦一郎の全面協力のもと、1991年に開館。猪熊氏本人から寄贈を受けた2万点もの作品を所蔵している。

設計は、モダンの殿堂「ニューヨーク近代美術館(MoMA)」の新館を手がけたことで有名な谷口吉生氏。

地上3階の高さもある吹き抜けと、外から入ってくる自然光が、開放的な空間を作り上げている。


3階の廊下に立つと、真正面の細長い窓越しに市内の景色を窺うことができる。同じ場所から、2階のギャラリーに展示された作品を見下ろす感じで眺めるのも好き。吹き抜けだからこそ為せる技。

猪熊氏の常設展、他のアーティストの企画展を鑑賞するのももちろん楽しいのだけど、ここは建物自体がなんだか心地よい。ベンチにすわって、目の前に飾られた絵をふわーっと眺めているだけの時間もいとおしく感じられる。


猪熊弦一郎は、国内では三越百貨店の包装紙『華ひらく』、上野駅中央改札口コンコースの壁画などで知られている。海外での活動期間も長く、パリ滞在時にはアンリ・マティスやパブロ・ピカソと交流があった。

そんな経歴を持つ彼が、ここ香川にユニークで素晴らしい美術館を残し、文化的なまちづくりに貢献してくれた。やはり、故郷というのは、特別なのかな。

せっかくなので、とことん恩恵にあずかり、これからも現代アートに触れながら、心地よい時間を過ごさせてもらおうと思う。


No.1 星からの手紙(ラブ)
1983
無重力地帯 (X)
1983
建築と裸婦
1990



【あとがき】
猪熊弦一郎=いのくまさんの絵からは、何か不思議な力を感じます。いのくまさんって、どんな人なんだろう?どんな思いでこの絵を描いたんだろう?なぜこの形なんだろう?見れば見るほど、興味が湧いてきます。絵を通して、いのくまさんのことがどんどん好きになっていきます。

子どもが美にふれることを重視し、美しい空間で作品を見ることにより、心が元気になる場所を目指して、建てられた美術館。理屈でなく、心で視る。もし丸亀に来られることがあれば、ぜひご家族で楽しんでいただきたいです。




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