終活する僕

「終活」という言葉をご存知だろうか。
終活とは人生の最期を迎えるための準備を行うこと。
身の回りの整理や、財産の相続を円滑に進めるための計画、葬儀や墓などの準備などがある。
僕はまだ22歳なので終活なんてまだ早すぎると思われるだろうが人はいつ死ぬかなんて誰にも分からない。
来年の今頃にはこの世にいない可能性も勿論あるし、半年後、1ヶ月後、1週間後、明日、1時間後、5分後、僕が生きている確約なんてどこにも無い。
だが、そんな本格的に終活をやるつもりもない。
今すぐに出来るとしたら身の回りの整理だろう。

ここ最近僕は「あれは本当にいるものなのか?」
「そういえばあれ買ってから一回も使ってないな」
など趣味のものを頭の中で要否を問うことをしているのだが、自分の中ではっきりとしたラインを決めないと全て捨ててしまうことになってしまう。
趣味のものなんて生きるうえで本当に必要なものでは無いのだから。
生きていくモチベーションとしては非常に有効で人生を楽しむための重要なファクターになり得ることは勿論分かっているが無くても生きていけることは出来る。

僕には2組の好きなアーティストがいるのだが、1組のアーティストは最近ライブにも行っていないので正直熱が冷めてきているのに気づいていた。
なのでそのアーティストのCDやレコードを売ってしまおうと決心した。その中にはまだ開けていないのすらあった。きっと自分の中にファンだから持っていなくてはいけないというプレッシャーもあったんだなと思った。
すぐさまスマホで写真を撮り、メルカリに出品する。
1週間後、まだ売れていない。正直甘くみていた。
今はもう販売されていない完全生産限定盤だし、きちんと定価以下で出品していたのですぐ買い手が見つかると高を括っていた。
頭のおかしい価格交渉のコメントすらきていない。
前はこちらが提示した金額の3割程度の金額を提示され尚且つ買ってやってもいいとでもいいたげたな態度のコメントが来ては憤りを覚えていたがそれすらもこない。むしろ愛おしくも思えて……こないか。
全然思えない。
今からでも憤りを復活することもできる。

違う、そういうことを言いたいんじゃない。
メルカリで売れない商品を見ていると切なくなってしまう。せめて早く売れて、欲しいと思っている人のところへと行ってほしい。
まあ、お金も欲しい。
ふと思ったがこれは終活ではなくただの断捨離では無いか。
そんな声が聞こえてきそうだが取り敢えず無視してみる。そんな無視する僕にも一つだけ断捨離出来ないものが。(断捨離って言ってるじゃ無いか。と自分に突っ込む。)
いつ僕が死ぬとしてもエロ動画だけは消せずに取っておいてしまうのだろう。
男の悲しい性だと切なくなる。

もうすぐ夏が来る。



お読みいただきありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?