痛い僕

痛い!何だ?痛い!
目が覚めた僕の両腕には尋常ではないほどの痛みが。痛みに耐えながら近くに置いてあるスマホに手を伸ばすと2:04と表示してある。
何でこんな時間にと思いながらも僕の両腕は痛むことをやめない。どの体勢になろうと痛みが治まることはない。
ふと思い返せば寝る前に両腕に違和感があったことを思い出した。だが別に痛いわけではなかったし、疲れが溜まっているのかなとしか思わなかった。

痛くて寝ようにも寝られず藻掻き苦しみながら布団の上であることを考えていた。
それは救急車問題だ。
救急車を呼ぼうかと思うぐらいに痛かったのだが果たして呼んでもいいものなのかと悩む。
正直両腕はめちゃくちゃ痛い。
捥げてしまうのではないかと思うほどに痛い。
しかし救急車を呼んでもいいものなのかと僕の理性が急ブレーキをかけてしまう。
もし救急車を呼んで何もなかったらどうしよう。すごい迷惑をかけてしまったなと罪悪感を覚えてしまうかもしれない。
ただ腕が痛いだけなのに。
そんなにぐちぐちいうなら早く呼べよと思う人もいるかもしれないがそんな勇気がないからぐちぐちいうのだ。
結局僕は命に関わるほどではないだろうと勝手に判断し救急車を呼ぶことは諦めた。
明日の朝には治っているだろうと希望を込め我慢に努めることにした。
気づいたら眠りに。そして起きる。
両腕はめちゃくちゃ痛い。
それを30分おきに繰り返し気づいたら5時になっていた。
朝だ。まだ痛い。
今日は仕事なのにと思いながらも必死に立ち上がりスマホを持とうとする。力が入らない。スマホすら持てなくなってしまっていた。
これは駄目だと思い仕事を休むことにした。
生憎その日は日曜日だったため救急しかやっていなかったがせめて痛み止めでももらえないかと行くことにした。
幸いなことに僕は実家に住んでいる為父に病院まで送ってもらっていたのだが困ったことにどんどん痛みが引いていくではないか。
いや、痛みが引くのはいいのだけれど、このタイミングで?と思ってしまった。
病院に着いた頃にはほぼほぼ痛みは引いていた。
まあ、でも行くしかないよなと思いながらも車のドアを思いきり閉めることのできる腕を見せに行った。
案の定救急科の先生たちは困ってしまっていた。
何も痛くない腕を見せながら激痛が走ったと大袈裟のような言葉を述べたのだが全く大袈裟ではないし忠実に痛みを言語化しながら話したのだが先生に腕を触られながら出てくる言葉は「痛くないです。」だけだ。
だけどその痛みを説明している時の僕は「本当に痛かったんです!噓じゃないです!」と言ってしまいそうになるほど言い訳じみたものだった。
その当時の痛みを話している時の僕はまるで「本当にUFOを見たんだ!信じてよ!」と友達や親に訴えかけているアメリカの9歳の少年のようだった。結局その日は痛み止めだけもらい帰った。
幸い次の日が休みだったため同じ病院の整形外科に見てもらったのだが結局原因は分からず。

そしてあの日以降痛みが出ることは無くなったため少し安心したのだが原因が分からないのでは対策しようがない。
僕は毎晩あの痛みがまた僕のところにまたひょこっと顔を出すのではないかと心配している。
その時はそいつを首根っこ掴んで離さないように病院まで連れいていこうと思っている。



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