ゴミを着るのがクール!糞掃衣とサーキュラーエコノミー(エシカル100考、32/100)
「糞掃衣」という言葉をご存知でしょうか?「ふんぞうえ」と読みます。
「糞塵(ふんじん)中に捨てられた布を拾い集めてつくった袈裟」(日本百科全書)、「僧の衣のこと。インドの教団で、糞や塵ちりのように捨てられたぼろ布を洗い、つづって作ったことからいう。」(大辞林)と解説されますが、まあ仏教のお坊様が着てらっしゃる袈裟の原型?のようなものです。
「ゴミでできた服」です。
修行のため執着をすて乞食(こつじき)として托鉢・説法に回っていたお坊様が、貧しい方からのお布施として糞(というか大便ですよね)を拭く黄褐色になったボロ布をもらい、それをつなぎあわせて服をしたことが由来と聞いたことがあるのですが、出典などはあるのでしょうか?
いきなり話しが変わりますが、「サーキュラーエコノミー」という言葉をご存知の方も増えていますよね?言葉というか、社会や経済の仕組みですね。
サーキュラーエコノミーにはシェアやサブスクリプションなどいくつかのビジネスモデルがありますが、馴染みやすいのは「回収とリサイクル」(リサイクルといっても、ちょっと再利用して結局捨てるのではなく、ずっと再利用し続けるモデル)。
今まではゴミとして捨てられていた、費やされて消されていた物を、もう一度資源として使い新しい物に生まれ変わらせ、使い続ける。
ファッションの領域だと、廃棄プラスチック問題とからめて、回収したペットボトルから再生ポリエステルを作り、商品にしたものが増え始めています。
SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」と、目標12「つくる責任つかう責任」あたりがメインターゲットとなるでしょうか。
この分野で頑張っているのが、アディダスさん。
海洋環境保護組織、パーレイ・フォー・ジ・オーシャンズ(パーレイ)の協力で回収した廃棄プラスチックのリサイクル材「パーレイ・オーシャン・プラスチック」で作った商品を多く発売しています(下記リリースより説明文引用)。
ちなみにアディダスさんはもっと先をいっていて、靴のサブスクリプションみたいなことやり出しますよね。すごいなあ。
まあ置いておいて、こういった廃棄プラスチックで作られた服って、要は「ゴミでできた服」ですよね。
これからのビジネスモデルと、最新の技術と、社会や地球に良いという要素が掛け合わされた服って、とてもクールなんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか?
「ゴミでできた服」って、とてもクールなんじゃないでしょうか?
そして冒頭に戻って「糞掃衣」というのは、当時最新の知識・学問であった仏教(宗教というより、社会哲学)を学ぶ人が着る服だったので、「ゴミでできた服」であってもクールだったんじゃあなかろうか、とか思います。
サーキュラーエコノミーにもとづいた、廃棄プラスチックなどのゴミを活用してできた服やファッションアイテムは、現代の「糞掃衣」で、とってもクール。
そんな理屈は成り立ちませんかね??
ということで僕は最近、はるやま商事さんが出されている「ECO i-Shirt(エコ アイシャツ)」を得意げに着てたりしますが、アディダスさんのも着てますよ、というアピール(誰に対するアピールか知らないけど)。
パーレイのTシャツとスニーカー。
こういったものを着ながら、「ねえねえ、今日はシャツも靴もゴミなんですよ~」って人に話しかけるうざい行為が最近の僕の流行りです。
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