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Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(2章)⑩

僕たちのように国に所属しない人がいるのではないかと思い、探してみることにした。山田さんのところに行くと、すでに移住した後だった。しかしそこには違う人が住んでいた。
「こんにちは、山田さんは移住されましたか?」
「もしかして、あなたがあきらさんですか?山田さんから聞いていますよ、私は林って言います。山田さんは子供ができたから便利な都市部に移住すると言っていました」
「そうでしたか、こんなところに来て、あなたは国に所属していないんですか?」
「所属してますよ。地球に優しい発電をここで研究しているんです」
「風力と水力発電で家1件分の電気を作りながら、大気から発電する方法を研究しています」
「それは凄いじゃないですか?それができれば環境にも優しいですね」
以前と同じように利益優先の経済なのかと思ったら、ちょっとは環境のことを考えるようになったんだな。
「林さんの服は麻ですか?」
「そうなんです、最近は石油から服やプラスチックを作っていないんです。江戸時代のように植物を栽培して作っているんです」
「だから、町並みは江戸時代のようです、高いビルもないんですよ、そして家は全部木造です」
ちょっとは環境に優しい世界になったみたいだ。都市部に住むのもいいかなと思った。でも僕は働くのが嫌いなんだよな。

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