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#366 対象者との関係性を考える(協業する)

さて、今日のテーマは「対象者との関係性を考える」です。

最近、よく現場の指導に入ることが多いんですが、そこで毎度気になることがありました。

それは「協業」です。

「協業」は、対象者の方を同じ目線に立って、共に考えることが必要になりますです。

どちらかが一方的に指示したりするのではなく「共に考える」

これってけっこう大事な部分だと思います。

今日はそんな話です。

自己紹介とお知らせ


僕は、某リハビリテーション病院で作業療法士の中堅管理職として働いています。対象者の課題と向き合うことはもちろんですが、スタッフのストレスやチームの運営にも日々向き合っています。

このnoteでは、仕事の考え方や医療者としての働き方、コミュニケーションや人間関係、ストレスマネジメント、作業療法に関するさまざまなテーマを取り上げ、日々の感じたことを自らの解釈として記録しています。

読んだ方の何かお役に立てれば幸いです。

以下お知らせ。

◾️第28回福岡県作業療法学会
来年行われる福岡県作業療法学会の学会長を行うことなりました!これから1年間準備行っていきます。noteでも「学会長の奮闘記」を定期的に書いていこうと思います。マガジンでまとめてますので、よかったらスキを押して応援よろしくお願いします!


◾️湘南OT Interaction
作業療法士向けの研修会を行なっている湘南OT交流会の支援の元、「新しい学び場を作る」ことを目的として立ち上がりました。「学びたいけどどうしたら・・・」と悩むOTの方と一緒にコミュニティ作りを支援します。定期的に勉強会も行なっているのでよかったら。


それでは本題に入っていきましょう。



協業できないのはなぜか


現場の指導に入った際に受けた相談などから「協業が課題だな」と感じることが多くあります。

この課題はなぜ生まれるんでしょうか?

どの相談者の人も、大なり小なり不安を抱えています。

その不安の原因はどこからくるんでしょうか?

おそらく「他者から見た自分の言動がうまくできているか」という側面があると思います。

相談にくる人は往々にして「答え」を求めているように感じます。

これは不安だからこそ、その答えを知ることによって、自分の不安を解消しようとしているんだと思います。

これが悪いことだと言いたいわけではありません。

ただ、指導者への相談というのはその時限りのもので、その指導者がずっとついて回るわけではありません。

指導者が去った後には、対象者と相談者が残されるわけで、それ以降はその2人で問題解決を行なっていくことが必要になります。

単発的な答えを知ったところで、その考えに至るまでのプロセスや、その背景などを1回の指導で理解することは難しいでしょう。

そう考えると、そこで得た「答え」になんの意味があるんでしょうか?

現場はもっと泥臭く、画一的な答えは存在しません。

必要なのは、うまくいかなくても、見苦しくても、なんとか前に進もうとする姿勢だと思います。

単発的な「答え」ではなく、対象者の人とともに試行錯誤しながら作り上げたものにこそ、その人自身が歩むべきプロセスを反映した正解があるんだと思います。

つまり、それは「協業する」ということです。

それは、その現場にいる人だから出せる答えであって、ちょっときた指導者の答えなど安直なものです。

「協業する」というのは、うまくいくこともそうでないことも受け入れ、それでもなお前進するための方向を導き出すための過程だと思います。


協業に向かうためのコツ


では、どうするかです。

協業するにあたって、必要なことを考えてみます。

相手の目的を知る

まずは相手のことを知ることです。これは表面的なことではなく、相手から出てくる言葉の裏側や言葉にならない思いまで含みます。相手の主張に耳を傾け、その違和感を問うていくといろんな言葉が出てきますよ。


自分の目的を伝える

自分の考えていることも伝えましょう。これは相手が話してくれた分フェアに自分の考えを伝える必要があるからです。フェアでなければ協業関係ににはなれません。相手を傷つけることないように、自分が思うこともしっかり伝えましょう。


情報を交換する

お互いの持っている情報を伝え合いましょう。違う人間である以上、持っている情報には差があります。そに人それぞれの立場で、どのようにその情報を認識しているかを交換するようにしましょう。


今の状況を考える

これらの情報を共有したところで、今のお互いが置かれている状況について議論しましょう。現在でわかっていることは何か?優先事項はなんなのか?課題はどこにあるのか?そのように議論を進めることで、これから目指す未来を見定めていきます。


共通目標を見出す

最後に、お互いが納得できる共有目標を考えましょう。相手の主張、自分の主張、お互いの情報、今の状況。全てを含めて、では私たちは何を目指していくことが妥当なのか?を議論しましょう。ここまでくれば協業は成立すると思います。


こうやって振り返ってみると、協業を行うことに「決まった答え」がないことにあらめて気がつきます。

協業とは、その関係性の中でだけ見出せるものであって、刹那的です。

だからこそ、自分たちだけしか見つけられない答えを探すことが必要になります。

その上で、どのような指導が必要かを指導者と議論できれば、より良い方向につながると思いますよ。


今日は以上になります。

頑張るあなたを応援しています。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
読んでいただいた方のヒントになれば幸いです。

ではまた。

◾️質問箱
質問箱をGoogle formで作りました。仕事や生活などでの悩み(それ以外でも)があれがご記入ください。いただいた質問は、記事にして返信したいと思います。



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