回想

正直に言うと、僕が大学院に入ったのは、研究がしたいとか自分の意思でというよりも当時の指導教官に「大学院に来たらどうや」と言われたのが嬉しかったからというのが一番大きかったように思う。ひょっとしたら人生における重大な決断って結局そんなもんなのかもしれない。

ロスジェネとか就職氷河期世代とか呼ばれる世代、当時は地元で中学校の先生になるかダンサー目指すかで迷っていた。大学2年の時に父が他界したこともあり、金銭的余裕もなかった。が、それを跳ね除けるほど先生の一言は大きかった。まぁ大学院に進学したら先生はそこにいなかったのだけど…

研究者になりたいと本気で思うようになったのは博士課程に入ってからだった…ように記憶している。自分なりに(漠然とだが)計画も立てた。が、当然のことながら思うようには行かなかった。ただ、当時からゴールだけは明確だったし、ときどきそのゴールを達成した自分の姿をイメージはしていた。これは今だから言えることだが、結果これが良かったのだと思う。

「ゴールを設定して(自分の成功を)イメージする」

振り返れば、いろいろと紆余曲折あったけど、その時その時の経験が間違いなく今に繋がっているし、どれも無駄にはならなかった(…ように思うし、たぶん美化されている)。過去の経験を解釈し、価値づけするのは結局「今」の自分。

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