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言葉を遣い合う

こんにちは。伊藤です。

最近は飛び始めた花粉に花やら目やらをやられ
ティッシュを手放せない日々を送っています。
(カフェでくしゃみをしたらコロナだと疑わられたのか
すごい視線を浴びました。お薬さん、お願いだから効いてください。)

今回は、「『具体⇔抽象』トレーニング」という本のまとめと学びを
文字に残しておこうと思うので、お時間があればご一読ください。

ただし、
「本は読んでも読まれるな!」
知の更新はあっても、鵜呑みにはしない。
自分らしく読みましょう(お互いに)。

では本題へ。

コミュニケーションギャップ

みなさんは日常生活の中で
「なんか話がわかりづらいなぁ...。」
「この人と話しているとイライラするなぁ。」
と感じる場面がきっとあるのではないかと思います。
話している内容の大まかな方向性は合っていても、実際に話しているものの範囲やピントがずれていると、違和感を感じるものですよね。

例えば、「今食べたいものは?」という質問をしたとして
Aさん 「私はお菓子!」
Bさん 「自分はいちごのショートケーキかな。」
という回答が返ってきたとすると、みなさんはどう感じますか??

Aさんの回答に対して「『お菓子』であればなんでもいいんだ」と感じる人もいれば、「いや、だから何が食べたいの?」と感じる人もいるでしょう。Bさんの回答に対して「それを用意すればいいのね!」と感じる人もいれば、「ピンポイントで要求するのね...。」と感じる人もいるでしょう。

ここで認識を合わせるべきなのは、
具体的に知りたいのか、抽象概念として聞いているのか
というところだと考えます。

具体的に知りたい人にとって、Aさんの回答はイライラするもの、
Bさんの回答は的を得たものになっていると言えます。
抽象概念として聞いている人にとっては、Aさんの回答は的を得て、
Bさんの回答は負担感の大きいものとなると言えます。

みなさんはどちらのタイプでしょうか??
また、こういったことでコミュニケーションギャップを感じたこともあるのではないでしょうか?

具体・抽象

そもそも「具体」「抽象」とはどういうことなのでしょうか?
相対的な概念であるこの言葉は、多くの人が日常的に利用しているものですが、何かに対して「具体的」「抽象的」であるということが決まるので、そのものごと単体に対して使われることはありません。

具体
個体が特殊な形態・性質をもつこと(「広辞苑」より)
物事がはっきりとした形態・内容を備えているさま。観念的なものでなく、個々の事物に即しているさま(「明鏡国語辞典」より)
抽象
事物または表象の或る側面・性質を抽ぬき離して把握する心的作用(「広辞苑」より)
一定の認識目標を追求するために、いろいろな表象や概念から特定の特性や属性をぬき出すこと(「日本国語大辞典」より)

この言葉の意味から、
「具体」は個々の「特殊」な部分を目立たせること、に対して、
「抽象」は個々の「共通」する部分を目立たせる、ような印象を受けます。

例えば、「りんご」「いちご」「豚肉」「きゃべつ」の4つでは
抽象度を上げて考えていくと「食べ物」にまとめられます。
再度そこから少し具体化すると
「『動物』『植物』」だとか「『果物』『肉』『野菜』」
のような形で分けていくことが可能です。

このように、個々の性質の中から「関係性」を見つけ出し大きな枠組みにしていくことが「抽象化」であり、その枠組みの中から個々の性質の「特異性」を見つけ出し分類していくことが「具体化」であります。

抽象化すればするほど、その枠組み自体は大きくなるので、
物事や選択肢の「自由度」も比例して増していきます。
反対に、具体化することは考えるべき範囲を限定することに繋がるので、
「自由度」は減少しますが、思考がシンプルになる傾向にあります。

抽象化

では、「抽象化する」ためにはどんなことが必要なのでしょうか?

まとめること
「個々の要素から共通点を見つけ出してまとめること」
は、抽象化することにおいて最も馴染み深いことだと思います。
「りんご」「いちご」「みかん」の3つであれば
「果物」「植物」「地上に生る」「食べ物」
のような要素が導き出されるでしょうか。

捨てること
「見つけ出した共通点以外を排除していくこと」
は、みなさんが抽象化する中でおそらく無意識的に行なっていることです。
「りんご」「いちご」「みかん」の3つであれば
「実の色」「生育方法」「大きさ」「収穫適正時期」
のような要素が無意識化で排除されていると思います。

Whyで考えること
「物事を『なぜ?』で問うてみて、2つの関係性を繋ぐこと」
は、因果関係など複数の要素の関係性を明らかにする中で必要なことになります。
目的を明らかにするWhyを用いることで、1次元だった要素が
2次元に増え、物事を抽象化していくことができます。

このほかにもポイントはいくつかありますが、すべてに共通するのは
「関係性を見出すこと・繋いでいくこと」だと考えられます。

具体化

もう1つの、「具体化する」ためにはどんなことが必要なのでしょうか?

違いを明確にすること
「個々の要素を細かく書き出して、分解していくこと」
は、具体化することにおいて最も馴染み深いことだと思います。
抽象化の反対に、作られた枠組みの中で要素を分解していきます。
「果物」⇒「りんご」「いちご」「みかん」...
のようなかたちで分解できると思います。

Howを考えること
「物事を『どうやって?』で問うてみて、手段を明確にすること」
は、抽象概念から要素を1つ1つに分解していくのにみなさんも普段から用いているものであると思います。
手段を明らかにするHowを用いることで、曖昧だった1つ1つの要素の集団をを明確に分解し、物事を1つ1つ具体化していくことができます。

このほかにもポイントはいくつかありますが、すべてに共通するのは
「要素の差異を明確にすること・分解すること」だと考えられます。

具体と抽象

抽象⇔具体

抽象⇒具体
基本的には「抽象⇒具体」で考えられることが多くなります。
例えば、かなり開業にあたって大雑把に書き出してみると
大枠のコンセプト→事業内容→必要なもの用意→実行
というような形で頭の中にある抽象的な概念を達成するために、
どうしたらそれを達成できるのかを考え、そのために必要なものを揃えて、
実際に行動するところまで進んでいきます。

「かたちが無い→かたちを帯びる→かたちを創る→かたちを動かす」

具体⇒抽象
一方、問題解決のプロセスにおいては「具体⇒抽象(⇒具体)」で考えられることが多くなります。
例えば、どれだけ考えられた事業計画であっても、実際に行動を起こしてみて初めて問題点が浮き彫りになることばかりです。
システムの問題なのか、お客様との関わりの部分なのか、はたまたサービスの部分なのか。
具体的事例が起こって初めて問題として認知されるので、その具体的な問題から本質的に必要な要素を抽象化で抜き出し、抜き出した要素から具体的な解決策を生み出していきます。

「問題発生⇒要素抽出⇒要素から手段を形成⇒手段を実行」

このように「抽象⇔具体」のそれぞれの流れがある中で、自分の立ち位置がどちらなのかをしっかり把握しておかなかったり、全体がどちらの話をしているのかを認識しておかないと、話が全くかみ合わなかったりその発言が全くの無意味になってしまうことがあります。
※あえて流れに逆らう行動をすることが必要な場面もあることもあります。


具体と抽象をきちんと認識し、自由に行き来できるようになれば、本質的に必要なものや役割が見えてくるのだと思います。
僕も企業や団体に属する中で、他の人とのコミュニケーションをとることが頻繁にあります。ただ、互いの意図が合っていなかったり、次元の異なるものごとで話していたりしたことが多々あると反省することの方が多いです。

みなさんはどうでしょうか??

「成功するまで続ければ失敗は全て過程になる」という言葉もありますが、その挑戦の確度を上げていくために、言葉の認識をきちんと整えて、正確なコミュニケーションを取り続けていきたいものです。

いつの日か、お互いに認識を補い合える、

心遣いの溢れた優しいコミュニケーション

が多くの人の間で、社会で、広く浸透していることを願って。

お互いに、少しずつ成長していきましょうね。

では。

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